アメリカのシンクタンク「ヘリテージ財団」と経済紙「ウォールストリート・ジャーナル」は1月25日、「2019年経済自由度指数(Index of Economic Freedom)」を発表し、香港が前年と同じ90.2点を記録し25年連続で世界一に輝いた。2位はシンガポール、3位はニュージーランドとトップ3は2015年から5年連続で同じだった。日本とマカオは前年と同じ30位と34位、中国本土は前年の110位から100位に順位を上げた。
香港につい項目別に見ると、財産権の確保(Property Rights)=93.3点(前年比0.8ポイント増)、司法の影響(Judical Effectiveness)=75.3点(同9.0ポイント減)、政府の清廉性(Government Integrity)=83.8点(同1ポイント増)、税負担(Tax Burden)=93.1点(前年と同じ)、政府支出(Government Spending)=90.3点(同0.1ポイント増)、財務の健全性(Fiscal Health)=100点(前年と同じ)、ビジネスの自由度(Business Freedom)=96.4点(同0.1ポイント増)、労働の自由度(Labor Freedom)=89.2 点(同0.2ポイント増)、通貨の自由度(Monetary Freedom)=86.4点(同2.1ポイント増)、貿易の自由度(Trade Freedom)=95.0点(前年比5.0ポイント増)、投資の自由度(Investment Freedom)=90.0点(前年と同じ)、金融の自由度(Financial Freedom)=90.0点(前年と同じ)となった。
総合点では同じだが、司法の影響は数字を大きく下げた一方で貿易の自由度は上がった。同財団では、1国2制度において北京の影響がさまざまな面で大きくなっていることから、香港の経済活動が制限されていると評価している。
日本は前年比0.2ポイント減の72.1点だったが、順位は前年と同じ30位にランクインした。項目では、財産権の確保=84.1点(同1.9ポイント減)、司法の影響=68.5点(同4.7ポイント減)、政府の清廉性=78.0点(同1.2ポイント減)、税負担=68.2点(同0.8ポイント増)、政府支出=55.0点(同0.9ポイント増)、財務の健全性=55.7点(同6.4.ポイント増)、ビジネスの自由度=80.5点(同1.2ポイント減)、労働の自由度=79.0点(同0.2ポイント減)、通貨の自由度(Monetary Freedom)=85.9点(同0.5ポイント増)、貿易の自由度=80.0点(同2.3ポイント増)、投資の自由度=70.0点(前年と同じ)、金融の自由度=60.0点(前年と同じ)と発表された。日本の場合は、前年に続き財務の健全性が改善したことが評価された一方、司法制度に関して懸念を持たれていることが明らかになった。
1995年に始められた同調査は前年より6カ国・地域増え世界186の国と地域をカバーし、12項目のスコア(各100点満点)で「経済自由度」を算出する。世界平均は前年より0.3ポイン減少して60.8点となったが、その最大の司法の影響であるとし、それは政府による司法の自由への介入や腐敗につながりかねないとした。
ライバルのシンガポールは同0.6ポイント増の89.4ポイントと香港との差を大きく縮めた。3位のニュージーランドは同0.2ポイント増の84.4ポイントを記録した。