林鄭月娥(Carrie Lam)行政長官は4月21日に開いた記者会見で、23日で終了予定だった「5人以上集まること」を禁止し、バー、ゲームセンターなどの施設の営業停止措置について24日から5月7日まで2週間延長すると発表した。
4月22日現在、感染者が1034人、死亡者は4人。林鄭行政長官は、4月20日に3月5日以来初めて感染者がゼロを記録したこと、それ以外で連日感染者数増加が1桁台に収まっており、外出禁止を含んだロックダウンをしている海外の都市と比べても政策の成果が出ているとした。しかし、依然として厳しい姿勢を取る必要があるとして延長を決めた。
具体的には、3月29日に始まった措置について、4月8日から延長して4月23日まで実施するとしていた5人以上集まることを禁止について4月24日から5月7日まで、さらに2週間再延長。ゲームセンター、サウナ、ジム、ビリヤード、ボウリング、アイススケートリンク、劇場、映画館、パーティールーム、カラオケ、麻雀店、夜総会、エステ、マッサージ店の閉鎖についても同様に、5月7日まで再延長する。
レストランについては、(1)席の使用は総座席数の50%まで、(2)テーブルの間は最低1.5メートル空ける、(3)1テーブル当たり最大4人まで、(4)客は食事中以外はマスクの着用義務付け、(5)店は客の体温検査を行わなければならない、(6)店は消毒液を提供する6項目のうち(1)については適用を取り下げた。これにより座席の稼働率が高まり売り上げの増加が期待できる。
これた政策が始まり4月20日までの間、5人が集まる件については3件が起訴、131件は罰金刑となった。閉鎖の店については1件が起訴、レストランについては34件が起訴されている。
香港入境の際の検疫について、入境者は3月20日より亜洲国際博覧館(Asia World Expo)と北大嶼山醫院(North Lantau Hospital)に設置された臨時の検疫センターで検疫をしなければいけなかった。一時期は非常に混み合い、亜洲国際博覧館内に用意されていた待機エリアで検疫結果が出るまで一定時間、待機する必要に迫られた。しかし、事実上の鎖国政策によって香港国際空港を利用する人が激減したため、4月19日に亜州国際博覧館内の待機エリアを閉鎖。それに代わり、香港政府は九龍城(Kowloon City)の富豪東方酒店(Regal Oriental Hotel)と交渉し、検疫者の待機施設として無料で利用する事に合意。同ホテルは500室を提供し食事の配膳も行うことになった。
その結果、4月22日からは早朝の便の入境者はこれまで通り、まず亜洲国際博覧館に向かい唾液のサンプルを提出するなどの検疫を行った後、現場で待機。同日中に検査結果が出るため、陽性であれば政府が手配した病院で入院となり、陰性だった場合は自宅、ホテル、政府が用意して検疫所などに向かう。そして自宅などでもう一度唾液のサンプルを政府に提出しながら14日間の強制検疫を行う。
しかし、午後の便の場合、亜洲国際博覧館で唾液のサンプルなどを収集した後、同日中に検査結果が終わらず、結果的に徹夜で結果を待つことになったケースが出てくる。その場合は、亜洲国際博覧館で待機場所は無くなったため、富豪東方酒店に移動することになった。翌日には検査結果が判明するため、それ以降のプロセスは早い便の飛行機と同じで、陽性であれば入院、陰性であれば富豪東方酒店を離れ、自宅、別なホテルなどで14日間、強制検疫を実施する。
なお、香港の航空最大手、キャセイパシフィック航空は4月16日、3月の旅行者数は前年同月比で90%減の31万1128人で搭乗率は同34.6ポイント減の49.3%だったことを明らかにした。キャセイ傘下の香港エクスプレスはその前日の4月15日、4月末までとしていた全便の運休期間を6月18日まで延長することを発表している。