香港政府は5月15日、2021年の公休日を発表した。例年政府発表後、多くの市民がSNS上で情報を拡散し合う注目の「香港公休日」だが、今年は新型コロナ肺炎拡大の影響を受け、休暇を取り、海外旅行する具体的なイメージが沸かず例年と比較すると静かだ。
通常、香港で祝日の発表は、「何日有給消化をすれば、連続何連休を取得できるか」についての関心に集中している。旧正月、クリスマス、釈迦(しゃか)誕生の日やイースターが公休日になるなど国際都市ならでは特色があり、いつ有給休暇(有休)を取れば連休になるかを検証する「攻略法」が香港人の間では話題となる。2021年の日曜以外の追加公休日は全17日を予定している。香港では日曜が公休日と指定されおり、多くの企業で土曜・日曜の週休2日制や土曜午後休を採用している。土曜に当たる祝日には例年通り振り替え休日は設定していない。「旧正月の3日は日曜日に当たるため、翌4日は祝日とする。清明祭と復活祭月曜の翌日が同日となるため、定休日ではない翌日が休業日となるが、法定休日を増やす提案については、雇用主の経済的負担とそれが社会や経済に与える影響を客観的に評価する必要があり、労働諮問委員会で検討をする」と一部が検討中であることもスポークスマンが明かした。
旧正月は2月12日の農暦年初一で始まり15日までで、金曜~月曜。旧正月3日は日曜のため、振り替えて旧正月4日目に当たる2月15日までを祝日とした。旧正月5日目から4連休を取り、その後の土曜・日曜の週休当てた場合、まとめて10日の連休を取得できる。2021年は香港からも多くの人が訪れる「さっぽろ雪まつり」と時期も重なる。
新型コロナ肺炎による渡航規制が緩和されたとしても、欧米に向けた長距離旅行が回復するには年単位のスパンが必要になると予想されていることもあり、2~3日の有休を取得すれば5連休になるパターンに注目が集まる。これは日本を含めたアジア圏の近距離旅行の際、1回の日数を3泊~4泊程度で場所を変えて回数を増やす傾向も続いてきたため、新型コロナ肺炎の状況が落ち着き、需要が戻れば朗報となる。
5月19日の仏誕節後に2日の休日を取得すると5連休、7月1日の香港特別行政區成立紀念日翌日の2日に有給を取得すると4連休、9月の中秋節は水曜日が祭日のため、月曜・火曜か木曜・金曜に2日の有給を取得するとそれぞれ5連休を実現することが可能だ。10月14日の重陽節は15日に1日有給を取得すると、ここも4連休になる。イースターとクリスマスという、従来長めの休暇で消費意欲も高まる時期については、イースターは3日有給を使えば10連休、クリスマスは4日有給を使えば9連休となる点も注目だ。桜の見頃は例年でいえば九州北部から関西、中部まで幅広いエリアで楽しむことができる時期にぶつかるため、今年日本に渡航できなかった香港人たちの「桜を見たい」という希望が、2021年はかなうことが期待される。クリスマスから年末の休みには最近は増えてきつつあるスキーやスノーボードをはじめとしたウインタースポーツを楽しむ人が長期滞在をする期待も高まる。クリスマス期間は、2020年は12月28日~31日の4日間に取得すると翌2022年1月初旬と合わせて同じく9日間の連休を取ることも可能性としては考えられる。
公休日は以下の通り。毎週日曜を基本とし、1月1日(正月元日)、2月12日(旧正月元日=農暦年初一)、同13日(旧正月2日=農暦年初二)、同15日(旧正月4日=農暦年初四)、4月2日(キリスト受難日=耶●受難節)、同3日(キリスト受難日翌日=耶●受難節翌日)、同5日(清明節/イースターマンデー=復活節星期一)、同6日(イースターマンデー翌日=復活節翌日)、5月1日(メーデー=勞動節)、5月19日(仏誕節=佛誕)、6月14日(端午節)、7月1日(特区成立記念日=香港特別行政區成立紀念日)、9月22日(中秋節翌日)、10月1日(国慶節=國慶日)、10月14日(重陽節)、12月25日(クリスマス=聖誕節)、同27日(クリスマス翌日ボクシングデー=聖誕節翌日)。