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香港のギャラリーで「波佐見焼」展示販売 近くのカフェでも器に採用

波佐見焼を期間限定で展示販売する上環のギャラリー

波佐見焼を期間限定で展示販売する上環のギャラリー

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 香港のおしゃれな雰囲気が漂う上環の太平山街にあるギャラリー「Sean Gallery」(G/F, 12 Tai Ping Shan Street, Sheung Wan)で12月18日、波佐見焼の展示販売「Hasami Life 展 in 香港」がスタートした。

近くのカフェでは波佐見焼で楽しめるオリジナルドリンクも

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 波佐見焼は他の伝統的な焼物と違い、「特徴が無いのが特徴」といわれるほど、普段使いできるテーブルウエアとして使えるため、「若い女性の人気が高い」とされ、アーティストとのコラボレーション商品も展開。オープンにした路面店のギャラリーには欧米人や香港人など行き交う人が足を止めて熱心に商品に見入る姿も多く見られる。スタートから3日で100点近いアイテムを販売した。

 今回ギャラリーを提供したのはYves Lee(イヴ・リーさん)。元々シドニーをベースに活動してきたアーティストで、昨年12月、初めて長崎県波佐見町を訪れた。同プロジェクトとしては、Jessica Wong(ジェシカ・ウォン)さんと一緒にギャラリーで説明している。「昔からの分業制度がまだ残っていて、素焼き、釉掛け、絵付けなど、それぞれの工程をそれぞれのプロが作業していることに驚いた」と話すジェシカさん。「波佐見と有田は車で15分くらいしか離れていなくて、有田焼の素焼きも波佐見で作業するなど、現地の焼き物のつながりが見えたのも面白かった」とも。

 波佐見焼の歴史・ルーツが分かるものから、さまざまな波佐見の職人が手掛けた波佐見焼まで幅広く展示している。400年以上続く「焼き物の町」として、普段使いの食器を数多く作ってきた歴史を紹介するため、丈夫で割れにくさが特徴の「くらわんかわん」や、酒・しょうゆの輸出容器として使われた「コンプラ瓶」など、日本庶民の食文化を支えてきたアイテムも一部展示する。安価で丈夫で、しょうゆや酒を劣化から守り、日本の貿易に欠かせないものだったという。

 展示品にはいくつかのシリーズを用意した。クリエーティブ・ディレクター兼デザイナーSebastian Bergne(セバスチャン・バーン)さんが手掛けるブランド「Ha’」は、花器などを中心に並べる。陶磁器デザイナー・阿部薫太郎さんによるデザインプロジェクト「essence of life」は、暮らしに寄り添いながら、新しいデザインと機能を追求したもので、銭湯の壁画をイメージした懐かしくも新しいデザインの富士山マグは凸凹のあるタイルのような質感で、手に取る人も多い。ほかにも、伝統を生かした「HASAMI PORCELAIN」のマグカップや、緩やかに広がる形状、優雅な持ち手、柔らかな色合いや描かれた「Sabato」など、全部で10のシリーズの商品を扱う。

 併せて、ギャラリーから徒歩圏内のカフェ「Gwee Coffee & More」と「Elixir Coffee」では、フェスティブシーズンに合わせたオリジナルメニューを用意し、波佐見焼の器で提供している。

 Gwee Coffee & Moreでは、リンゴとシナモンを使ったキャラメルラテに、Elixir Coffeeではほうじ茶プリンの器に、それぞれ波佐見焼の器を採用している。オリジナルドリンクメニューのオーダー客には、展示販売会で使える波佐見焼購入20ドル引チケットを配布。ギャラリーでは先着順で、アンケート回答客に両店のカフェのクーポン券を配布するなど、カフェとギャラリーを組み合わせた展開で香港人にアプローチを図る。

 ギャラリーの営業時間は11時~18時。月曜定休。

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