香港で日本のおむすびを販売している百農社が10月15日、10店舗となる「華御結(はなむすび)」の新店を「海富中心商場(アドミラルティセンター)」(1/F, Admiralty Centre, 18 Harcourt Road, Hong Kong)にオープンした。
同店は100%日本産の米にこだわり、毎朝香港の火炭(フォータン)のセントラルキッチンで作ったおむすびを香港内各地へ直送している。1号店を2011年6月に葵芳(クワイフォン)にオープンして以来、ビジネス街を中心に店舗展開を拡大し、香港島5店舗、九龍3店舗、新界2店舗の計10店舗となった。
各店とも大きな店を構えるのではなく、ショーケースや木製什器におむすびを並べ、利用客が選んで購入する仕組み。購入後、その場で食べることができるようにテーブルや椅子を用意している店もある。現在は新潟産コシヒカリの米を中心に1個当たり12~15香港ドルで販売している。
もともと香港の食文化として「冷たいご飯」を食べる習慣は無く、むしろ好まない傾向があった。しかしここ5年でスーパーマーケットのショーケースにもにぎりずしが充実し、その変形という認識でおにぎりへの認知も広がってきている。2011年10月に香港に会社を設立したクボタの100%子会社「久保田米業」も同店に精米したての米を納める。同社の宮内健州さんは日本米が受け入れられ始めた現状について、「日本の米は冷たくてもおいしいと理解し始められているからでは」と推察する。
人気の具材はサケ、サケのしょうゆ漬け、ウナギ、ツナなど。帆立の貝柱とシイタケ、牛丼味に仕上げたまぜご飯などもラインアップし、計20種類のおむすびを販売している。利用客の多くはこのおむすびをスープなどとセットで購入し、オフィスに持ち帰る。セットの販売価格は、おむすび2個とスープで39香港ドル。おむすび3個とスープのセットは49香港ドル。スープは自家製の豆乳コラーゲン鶏スープやみそ汁などから選べる。
同店の営業時間は8時~20時(土曜は15時まで)。日曜定休。