ベトナムで20年の歴史をもつアンナムグループが展開するベトナム料理店「An Nam(アンナム)」が香港・銅鑼湾(4/F, Lee Gardens One, 33 Hysan Avenue, Causeway Bay, Hong Kong)にオープンして1カ月がたった。経営は香港で飲食店を展開する「1957 & Co社」。
店舗面積は4500スクエアフィート。席数は、14人~28人を収容できる3つの個室を含め139席。ターコイズブルーで統一された壁や格子窓が印象的な店内は、所々にシルク生地を骨組みに貼り合わせたオレンジ色のランタンや絵画を飾り、アンティーク家具なども置く。アオザイに身を包んだウエートレスが対応し、フランス植民地時代とアジアが融合した異国情緒あふれる空間を展開する。すでに香港マダムの人気を集め、予約なしでは入れないほどになっている。
ベトナム料理の中でもフエ地方の宮廷料理を軸に展開する同店。その昔、中国の支配下で安南(Annam)と呼ばれていたベトナム中部地方は、中国の影響と19世紀半ばまでフランスの植民地だった影響も色濃く残るが、フエにはかつて阮(グエン)朝が置かれていたこともあるため、そこで今でも残る「宮廷料理」として提供する。
ゴイセン(Goi Sen Tom Thit=128香港ドル)は、ハスの茎とエビ、豚を使いシャキシャキとした食感を楽しむサラダで、フーコックフィッシュソース(ヌクマム)をかけて独特のベトナム料理の香りが口に広がる。バインベオ(Banh Beo=80ドル)は小皿ごと蒸したプルンとした生地の上に豚肉とカリカリの干しエビそしてソースをかけて食べるもので、6皿を竹の盆に載せて提供する。揚げ春巻き(Cha Gio=108香港ドル)も小ぶりでニンジン、イモ、エビ、カニなどをミンチにしたものをライスペーパーで包んで揚げ、繊細に仕上げた。そのほかハスの葉やハスの実など宮廷料理では欠かせない食材なども使う。
営業時間は11時30分~24時。14時30分~18時は特別ティーメニューを提供する。