香港政府は新型コロナウイルスの影響から、香港居民が本土からの香港に戻ったときに強制隔離が免除される「回港易(Return to HK)」を9月8日から本土全てに回復させた。8月5日からは広東省から戻る時のみが利用できることになっていたが全面回復となる。併せて、中国本土とマカオに滞在する非香港居民が隔離なしで香港に来ることができる「来港易(Come2hk)」の実施は6月2日に棚上げされていたが、9月15日に始めることも公表した。
香港は9日現在、累計感染者数が12,132人、死亡者は212人、回復者12,081人。新規感染者は輸入症例のみで2人だ。一方、ワクチン接種者については、1回目が4,284,908人(63.6%)、2回目も終えた人は3,682,641人(54.7%)となっている。
香港に入る際は政府指定ホテルで最大で21日間の強制隔離が実施されているが、最後の市中感染は8月17日となっており、9月7日で21日間市中感染ゼロを記録。潜伏期間を考慮する市中感染が猛威を振るう可能性は大幅に減ったことを意味している。
香港政府は、中国本土やマカオで新型コロナウイルスの新規感染者が発生したことを受け、8月5日以降は広東省にいる香港市民のみを「回港易」の対象としていた。ここに来て感染状況が落ち着いたことから、9月8日より中国全土とマカオに住む香港人に対して適用されることになった。戻るときは次の3つの税関が適用となる。深●湾=3000人、港珠澳大橋(HZMB)=2000人、香港国際空港=1,000人で、申し込み方法はこれまでとほぼ同じ。
2020年11月に始まった回港易はこれまでに20万人の香港居民が利用してきたが、一度も新規感染者を出した事例がないことから、香港政府は運用に自信を持っているようだ。
一方、中国本土やマカオに滞在している非香港居民(コロナ禍の環境下では、両地の外国人在留資格者がほとんどと見られる)が隔離なしで香港に入ることができる「来港易」は9月15日から実際されることが決まった。
1日当たり深●湾が1000人、HZMBは1000人の計2000人が入境可能となる。詳細は後日発表される予定だが、入境前の陰性証明、入境後も定期的にPCRを受けることなどが条件となっている。
香港政府は同日、政府の指示による強制性のPCR検査の検体について、鼻腔と口からのサンプルと唾液によるサンプルによる検査を実施してきたが、唾液による検査については一部を除いて廃止することを決定した。今後は専門スタッフによる鼻腔と口からの検体採取による検査が基本となる予定だ。
●=土へんに川