香港のクリエーティブ発信拠点の一つでもあるショッピング施設「PMQ」に3月30日、イタリア食材をそろえるショップ「Gustaci Food Gallery」(SG09-SG14, G/F, Block A, PMQ,35 Aberdeen Street, Central Tel:2773 1388)がグランドオープンした。イタリア食材に特化し、フードカウンターと小売を組み合わせて生鮮食品から加工品まで幅広く扱う。
以前からあるピザを中心としたレストラン「Gustaci Pizzalounge」とは別の入り口があり、6000平方フィートの店内には新鮮なイタリア食材を集めた。イタリア料理の技と伝統を紹介するとともに、イタリアの食文化への理解を促すことも目的とする。店内は、テラゾー、大理石、コンクリート、そしてゴールドのアクセントと黄色で彩られた内装でイタリアの海岸をイメージ。「おいしい料理、ワイン、仲間を思い切り楽しむ」というゆったりとしたイタリア流のライフスタイルをテーマに据える。
イタリア各地の生産者や農家から500以上の商品を集めた。野菜や果物、肉や魚介類、ワイン、ブッラータなどの食品を取りそろえ、「香港での家庭用イタリア食品の代表的存在として確固たる地位を築きたい」という。
パスタ、オリーブオイル、グルメソース、調味料などは、さまざまな地方のものを並べる。中でもトマトソースは種類も多く、ナポリのトマトをピューレ状にしたトマトソース「Antico Casale Franzese tomato sauce」(28香港ドル)、パスタにも使いやすいトマトクリーム「il Gusto della Puglia sun-dried tomato cream」(56香港ドル)などをそろえた。
野菜売り場では、巨大パプリカ(100グラム10香港ド)、レタスのようなイタリア野菜「ラディッキオ」(同8香港ドル)や、イタリアのカリフラワー「ロマネスコ」、さまざまな形が特徴の「エアルームトマト」など、イタリアの小規模農家から仕入れた野菜を並べる。ローリエは幹のまま販売するが、イタリアでは大学生が卒業のときにこの月桂樹を冠にして頭に載せる様子も展示。南イタリア直送のブラッドオレンジやレモンなどもある。調理済みのイタリア野菜(88~148香港ドル)のパックや、コールドプレスのエクストラバージンオリーブオイル(208香港ドル)、10年熟成のバルサミコ酢(186香港ドル)などもそろえた。
フレッシュチーズはカンパニア産のモッツァレラと、よりクリーミーなプーリア産のストラッチャテッラチーズを用意した。ほかにもショーケースの中に各種チーズやハム、パンチェッタやプロシュート、スモークサーモン、サルミやコールドカットも。イタリアワインやリキュールも豊富にそろえたが、中でも「Crema di Melone」(278香港ドルは)は同店に向けて専用に製造したもので、食後酒やデザートワインとして薦める。
イースターを前に、イタリアではこの時期に欠かせない伝統的な焼き菓子「コロンバ」(408香港ドル)もミックスベリーやクルミなどを各種販売。バターと卵がたっぷり入った「しっとりふわふわ」の生地に、オレンジピールを入れて焼き上げたもの。
食生活の多様化に伴い、ビーガン製品、グルテンフリーのビスケットやパスタも多数取りそろえ、「ベジ・ボックス」は毎日の食材を詰め合わせて販売する。農家、生産者、チーズ職人などと直接話をして、オーガニックで持続可能な食品を仕入れるほか、売れ残った商品は毎週フード・エンジェル香港に寄付し、困っている人たちへの食糧支援に役立てるという。
「ミッションは、単なる食料品店ではなく、コミュニティーとつながりを築き、体、心、人間関係に栄養を与えること。家族の絆を深め、家庭料理を身近にし、栄養価が高く、便利で、心も満たされる食事を提供するワンストップショップ」と位置付ける。イタリア旅行も制限される中、ショッピング体験を通じてイタリアへの入り口にしたい考えだ。
今後フォカッチャ、ブレッドスティック、イタリアのクロワッサン「コルネッティ」などの焼きたての自家製パンやペストリーを提供する焼きたてベーカリーや屋外カフェもオープン予定。オンラインショップでも、生鮮食品を含めて幅広いラインアップの商品をそろえる。
営業時間は10時~21時。