香港のワタミグループは4月28日、傘下の「居食屋和民」「饗和民」「PASTAHOLIC」、Deliveroo でのオリジナルブランド「WA!Soup」で「SDGs フェア」を始めた。昨今のフードダイバーシティにより、食文化や食習慣への意識も高い香港消費者に向け、「さまざまな食の選択肢を提供し多様化するニーズに応えたい」という思いから実現したといいう。香港発の代替肉「オムニ(OMNI )シリーズ」の植物肉と植物海鮮を使い、従来のワタミのメニューをリニューアルする形で展開する。
同社は、動物肉は動物性食品と比較して環境負荷が小さいことで知られるため、SDGs が掲げる「気候変動に具体的な対策を」「海の豊かさを守ろう」に貢献し、残さないことで、「つくる責任、つかう責任」も達成することができると考えた。
香港では2019年には機内食でも採用されるなどしたオムニポークは、シイタケ、エンドウ豆、遺伝子組み換えではない大豆、米などを原料とする。それ以前に広まってきた牛肉の代替肉ではなく、アジア各国の料理で使われる豚肉の風味、食感を目指すことで広く利用してもらおうと開発されたもの。香港ではマクドナルドなどでも展開されたことがあるなど一定の認知度がある。
ワタミは日本国内でも 2002 年に農業に参入し、現在では再生可能エネルギーを使った循環型 6 次産業モデル「ワタミモデル」の実現に向けて取り組むなど、持続可能な社会づくりに貢献している。同フェアの売上高の 3.17%を 、3 月 17 日の「みんなで考える SDGs の日」にちなんで、カンボジアの財団「School Aid Japan (SAJ)」に寄付する。同財団は、開発途上国の孤児や子どもたちを学校に通わせ、「教育することで運命を変える」機会を提供している団体で、香港ワタミグループも開業当初から支援してきた。
同財団は、設立から約20年でカンボジア、バングラデシュ、ネパールなどに 333 校を設立し、在学人数は 10 万人を超えた。フェアの売り上げを募金することから、利用客が注文するだけでサステナブルな活動に参加することができる仕組み。
「和民」では、オムニポークの石焼ビビンバ、オムニポークミートピッツァを提供し、居食屋「和民」と「饗和民」では、ビーガンフィッシュ&チップス、オムニクラブサラダをメニュー化した。「PASTAHOLIC」 では、オムニポーク ミートボールとマッシュルームのトマト生パスタ、オムニクラブケーキバジルアボカドパスタ、オムニポーク ミートピッツァ、オムニポーク ミートボールタパスを提供する。
野菜を食べる生活習慣食を促進するために 2020 年に立ち上げた Deliverooのみで展開するブランド「WA!Soup」では、他店舗のSDGs特別メニューを同ブランド用にアレンジした。オムニポークストリップのビビンバ丼は、ピリ辛のオムニポークを雑穀米のごはんに載せ、ビタミンと植物繊維のコンビで低カロリーに仕上げた。オムニクラブサラダは、本物のカニの食感と旨みを再現し、野菜とアボカドとキュウリとパプリカでいろいろな食感を組み合わせ、抗酸化物質が含まれるとされる卵も使用する。
フェアは7 月 6 日まで。