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香港でGI食材と酒類のペアリングイベント 薩摩焼酎から秋田のいぶりがっこまで

GIを初めて知る人も多く、熱心に説明に耳を傾けていた

GIを初めて知る人も多く、熱心に説明に耳を傾けていた

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 日本の国税庁が8月3日、香港の和食ダイニング「割烹伊藤」で、「地理的表示保護制度」」GI(地理的表示保護制度)をテーマにしたイベント「日本産GI酒類講座」を開催した。

秋田のいぶりがっこのおむすびと島根県の三瓶そばに山梨の純米酒をあわせて

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 香港では日本の県名を判断できる人も多いが、「薩摩」といったようなGIで示されるエリアの名称も理解する人もいる。伝統的な生産方法や気候・風土・土壌などの生産地等の特性が、品質等の特性に結びついている産品を知的財産として登録し、保護する制度が「地理的表示保護制度」。日本が浸透する香港は、このGIのアプローチも有効なエリアの一つである。

 「農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略」に基づき、香港における日本産酒類の認知度向上・販路拡大のほか、商品の差別化・高付加価値化に取り組む中、香港での日本産酒類のラインアップは増加傾向にある。消費者の興味や関心が高く需要もあるが、正しい知識を併せて教育していくことも求められる中、同イベントを企画した。イベントは2回開き、飲食業界関係者を中心に50人が参加した。

 会場となった「大衆割烹 伊藤」は元々、指定の日本酒をショーケースの中から自由に飲み放題で飲めることが人気だった「酒之和HANARE」を4月にリニューアルして再オープンしたレストラン。和食の道40年という伊藤政則料理長が参画し、「食事をより充実させることで日本酒とのペアリングをじっくり味わってもらおう」という狙いもある。当日は日本酒だけでなく、ワイン、スパークリング、焼酎などの日本産アルコールを用意した。

 伊藤料理長は、すしをはじめ、天ぷら、釜飯、卵焼きなど70種類を超えるメニューを提供しているが、今回は試飲してもらったうえで、「食感や味わいの変化を、より感じることができるように考えた」という。ペアリングについては、同店ゼネラルマネジャーの高松結実さんも料理長と意見を交わしながら担当した。

 近頃香港では日本酒だけでなく焼酎への関心も高い。ウエルカムドリンクとしては、薩摩焼酎を使ったウエルカムドリンク2種類を提供。芋焼酎を甘いミルクのフォームで仕上げた抹茶ハイボールとかんきつ類の香りを利かせた昆布茶ハイボールという性格の異なる2種も用意した。

 GI大阪のスパークリングワイン「たこシャン」は、たこ焼きのために作られたという背景があったものの、同店ではたこ焼きなどは提供していないことから、たこちぎりに沖縄のもろみ酢を甘酢餡(あん)にしてかけ、酸味が強めのソースに仕上げた。長芋も北海道十勝の肥沃な大地で育った「十勝川西長芋」を、田楽はアクセントに白みそを使い、ボディーのあるスパークリングに合うようにしたという。

 提供した日本酒の一つ「真澄7号」には、鹿児島産和牛を使った大和煮を合わせた。大和煮は水を使わない調理方法で、しょうゆ、砂糖、ショウガなどで煮詰めた料理。一般的には和牛と純米大吟醸をペアリングすることは珍しいというが、今回は味が濃い料理にも合う純米大吟醸酒で「和牛の脂も洗い流してくれるように組み合わせた」という。

 秋田のいぶりがっこのおむすびと島根県の三瓶そばには、山梨の純米酒を合わせた。いぶりがっこは香港でも既に提供している店もあるが、クリームチーズと一緒に提供することが多い。今回はあえておにぎりに入れて食感が楽しめるようにし、いぶりがっこの薫製の香りと純米酒の深い米の香りとうまみを合わせた。

 参加者の一人は「日本のアルコールは日本酒だけではなく、またそれぞれのエリアの特徴が酒にも食材にもあることを知り、それぞれのストーリーに興味が持てた」と話していた。

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