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おまかせ鳥割烹「希鳥」が中環に 鹿児島県産の黒さつま鶏使う

個室もあるが、基本的にはコの字のカウンターでコースメニューを提供

個室もあるが、基本的にはコの字のカウンターでコースメニューを提供

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 香港の中環にある萬年大廈に6月7日、焼き鳥や鶏メニューをコースで提供する鳥割烹「希鳥Kicho」(2A, 1/F, Manning House, 38-48 Queen’s Road Central)がオープンした。塚田農場を展開するAP Place Hong Kong社が経営する同ブランドは、日本の恵比寿や銀座などにある業態を進出させたもの。鹿児島県産の放し飼い黒さつま鶏をメインに使い、「日本ならでは」のダイニング業態を展開する。

鶏のとさかを低温調理で煮込み、希少部位と合わせたメニューも

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 店舗面積は800平方フィート。店内は、日本の伝統的なカウンターダイニングを黒を基調として現代風にアレンジし、「光と影が織り成すシンプルな美しさ」を考えて仕上げたという。上下から光を照らしたカウンターは、焼き場を中心にコの字型なるように18人が座れる席を配置し、6人までが利用できるVIPループも用意した。今後同じ店舗内でキッチンを共有する和牛料理「うしどき(Ushidoki)」も開く予定で、VIPルームなどは、いずれの店の客でも利用できるよう計画している。

 店を率いる吉田史料理長は日本で「やきとり塚田」の立ち上げに携わり、後進のシェフの指導にも当たる。吉田料理長を含め3人の日本人シェフが、鶏にこだわった料理を提供する。
鹿児島県の提携農家で育てられた黒さつま鶏について、吉田料理長は「天然のイノシン酸を豊富に含み、うまみ、高脂肪、きめ細かい筋繊維など、日本のブランド鶏の中で味わい深い鶏といわれるが、焼いたときの歯応えや、高温調理や刺し身にしたときの肉の柔らかさも特徴」と話す。この鶏をレアの状態で急速冷凍し、チルド状態で香港に持ち込むことで、新鮮さや味わいを逃がさない工夫を凝らす。れらの鶏を、広葉樹を原料とした備長炭を使って焼くことで、香りと音も大事に演出するようにしたという。

 スープ、前菜、創作焼き鳥(約8本)、野菜料理、ご飯または麺類、デザートの「おまかせ」コースを1 人1,000香港ドルで提供する。焼き鳥も一度に出さず、鶏料理の間に入れるなどしてコースメニューとして完成させ、メニューは季節や天候や料理チームの「直感」なども交え決めていくという。

 鶏を使った澄んだスープに続き、黒薩摩鶏のレバーペーストは、レバーと相性の良いポートワインで4時間煮込んでペーストを作り、もなかで挟んで提供する。胸肉の炙(あぶ)りたたきに土佐酢のジュレを添え、カラスミをかけて提供する炭火のたたき、じっくり2時間煮込んだ鶏のとさかと希少部位にカニあんをかけなどもある。鶏のささ身にイクラを載せてのりで巻いた焼き鳥などの創作メニューが多く、串メニューでは、鶏の首肉にマスタードあえ、ハツには自家製ショウガとネギのタレをかけ、つくね、鶏レバー、鶏手羽や鶏もも肉にも、日本から持ち込んだシェフ特製のタレをかける。

 季節の野菜には、パルミジャーノ・レッジャーノをちらしたり、みそダレをかけたりして、鶏のうまみを引き立てる。

 無農薬栽培から生まれた福岡の「山の壽宗像」、千葉の「木戸泉アフス」など、伝統的な一段仕込みの土の香りのする酒をそろえる。有機栽培米を18%まで磨き上げ、山形・酒田で醸造されたプレミアム日本酒「百光」なども並べる。日本酒やワインのペアリングの可能性も広げ、「キャンベル・アーリー・ロゼ」「キャンベル・アーリー・スパークリング・ロゼ」「マスカット・ベーリーA」など、宮崎県産のブドウを使った都農限定ワインも登場する予定。

 現在はアルコールライセンス申請などでソフトオープン中。営業時間は18時~22時。

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