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香港で、銅鑼湾ウォーターフロントプロムナードに「ワラワラ」が復活  

ビクトリアハーバーに再登場した「ワラワラ」

ビクトリアハーバーに再登場した「ワラワラ」

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 香港銅鑼湾のビクトリアハーバー沿いに電気ボード「ワラワラ(嘩●嘩●/Walla Walla)」が復活した。多くの水上タクシーが復活を求める声があった中、現行のフェリーサービスの妨げにならないようになど検討が重ねられ、銅鑼湾エリアで企画として復活することになった。

乗船場付近の様子。ワラワラに加えてドーナツボートも

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 香港では海底トンネルが開通前の1972年頃まで、「嘩●嘩●」と呼ばれる小型モーターボートが水上タクシーとして利用されていた歴史がある。ボートのエンジンは水面下で回転する際に「ワラワラ」と音がなるという理由から名付けられたという。かつては香港島と九龍半島を結び、ビクトリア・ハーバー(維多利亞港)を横断する交通手段の一つだった。トンネル開通に加え、地下鉄もでき、香港と九龍半島・新界を結ぶ路線バスも多く新設されたのに伴い、利用率の低下から引退し、香港仔と鴨●洲エリアなど短距離航路以外ほぼない状態となっていた。

 復活の背景には、銅鑼湾タイフーンシェルター(銅鑼灣避風塘)に隣接する銅鑼湾ウオーターフロントプロムナード(銅鑼灣海濱長廊)が完成したことが挙げられる。地下鉄銅鑼湾と天后駅から同距離程度の位置にあるこのプロムナードは、今年秋より「活力のある避風塘エリア(活力避風塘主題區)」のコンセプトで市民に開放された。敷地面積は約1万900平方メートル、長さ約715メートルある。海岸線側約90メートルの階段にはフェンスを設置せず、台風シェルターとビクトリア湾の夕陽を遮るものなく鑑賞できるようにした。同地区が6番目のハーバーフロント公共スペースとなり、今年中にはさらに2つのハーバーフロントがオープンする予定で、プロムナードの総延長約26キロがつながる。

 以前の遊歩道を生かし、ペット同伴も可能。大きなガジュマルの木を保存し、さらに緑を増やしたり、屋外用のテーブルと椅子、日差し除けの屋根なども設置。ガジュマルの木のそばには、フードキオスクとブースを設置し、ローカルのスナック類などを販売する。

 同エリアオープンを経て、定期便や海上観光ツアーも取り扱う珊瑚海フェリー(珊瑚海船務)社は、「Walla Walla歴史と文化の旅(Walla Walla歴史文化遊) 」と題し、乗船しながら歴史なども紹介するプログラムを企画。蜑民(たんみん) と呼ばれる水上生活者がガイドになり、水上生活やタイフーンシェルターやビクトリア・ハーバーの歴史を説明する。台風シェルター内の特定エリアでの水上ランタン投げなど、さまざまな体験ができ、同エリアに寄港している漁船から帆船まで各種類の船も見どころ。20世紀の香港を代表する姿を見ることができるという。

 ルートは近場を巡る内容。長く香港の観光スポットにもなってきたタイフーンシェルター西側の海岸にある「ザ・ジャーディン・ヌーンデイ・ガン(怡和午砲) 」にも海側から近づく。かつてジャーディン・マセソン社が来客が香港に到着または出発する度に大砲を発射してあいさつしていた歴史があったことから、毎日正午に大砲を発射する。「古いものを送り出し、新しいものを歓迎すること」を意味しているという。11時30分に出発する「嘩●嘩●」では、この大砲の音も楽しめる。

 香港で唯一の水上天后廟「三角天后平安堂」は1955年以降、70年近く銅鑼湾タイフーンシェルターの海に係留され、蜑民たちを見守ってきた。1回に参拝できる人数も9人に限られた、今後は市民が祈りやすくするため、香港政府は既に天后廟の移築敷地を準備し、タイフーンシェルターの近くに上陸させる計画を立てていることもあり、現在の水上天后廟もコースに入れた。

  「嘩●嘩●」の復活と並行して、ドーナツボートも用意。貸し切りドーナツボードで海風に吹かれながらピクニックや食事、ゲーム、写真撮影などを楽しんでもらいたいと企画したという。

 運航時間は金曜~日曜と祝日のみで、「嘩●嘩●」は11時30分・14時・15時・16時・17時、料金は280香港ドル。ドーナツボードは11時~13時、11時15分~13時15分、13時15分~15時15分など2時間を最小として貸し切ることができる。料金は2時間800香港ドル。現在は期間限定の割引価格も設定している。

 嘩●=口へんに拉。鴨●洲=月へんに利。

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