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香港人の嗜好やニーズの調査発表 AI技術進み、個人に向けた最適化求める

2040年までの香港人の飲食トレンドを発表したDeliveroo社

2040年までの香港人の飲食トレンドを発表したDeliveroo社

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 香港で飲食宅配サービスを提供するオンラインプラットフォーム「Deliveroo」が8月7日、香港人の飲食についての調査「Snack to the Future」 を発表した。

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 これは、Deliveroo社が、2040年までに香港人の食習慣がどのように変化し、その変化がどのような意味を持つかを予測したもの。調査は7月に1000人の香港人を対象に行い、食事に対する嗜好(しこう)や今後の飲食業界に対する期待について掘り下げた。

 結論として、香港人は2040年までにオーダーメードでパーソナライズされた食事が届けられることを期待していることを挙げる。

 AI技術や個人の健康とウェルビーイングに最適な影響を与えるためにどのような食品を食べるべきかについて深いレベルの洞察を得ることができる「ブレスプリント技術」の進歩により、パーソナライズ化された食事サービスが進化し、人々の食事の嗜好やニーズに対する洞察が深まることが予想され、2040年までのトレンドとなりそうなことが分かった。

 同調査によると、回答者の87%はカロリー制限を守るなど食生活の維持や健康的な食生活を自分で維持するのは困難だと感じており、「香港の消費者の56%は、デリバリー・プラットフォームが個人の目標に合わせて食事を調整できるなら、より頻繁に利用することを検討する」と回答した。3分の1以上が自分の体が必要としているものを理解することや、個人的な目標に最適な食品を知ることに苦労しているという。回答者の81%は、「2040年までには、睡眠パターン、1日に必要なカロリー、ホルモンサイクルなど、生物学的、身体的、精神的なニーズを考慮したAI技術を使って、個人別の食事を作ることが可能になる」と考えている。

 回答者のうち63%が、街の騒音など、気が散るもののない没入感のある食事体験を好むことが分かった。さらに回答者の半数以上(54%)が、「注文前に料理の匂いや味を感じることができれば、デリバリーサービスを利用する可能性が高まる」と回答しり、「バーチャル・ダイニング・パーティーは効果的だ」と考えており、将来的に開催することに前向きで、「テクノロジーによって有名人や王族、故人との食事がどのように可能になるか」に興味を示している。

 同調査結果では、仮想現実や拡張現実のようなメタバース・テクノロジーを利用した没入型の食事体験が視野に入っていることも分かった。同社は「2040年の食事は、テクノロジーが人々の食の発見と楽しみ方を変える可能性がある」と分析する。食事の宅配業者も、2D体験よりも魅力的で没入感のある飲食環境を用意する必要性がある。

 同報告書は、食事体験以外にも、「手頃な価格のタブレット・ベースやリキッド・フードが、2040年の食卓に登場する」と予測。アメリカで生まれた「ソイレント」やイギリスで生まれた「ヒュエル」などの完全栄養代替飲料が一般的になる可能性も予測している。香港人の40%以上がローカルフードより利用しやすい形に変えるというアイデアに前向きで好奇心旺盛であることが明らかになった。さらに消費者は、各料理に使われている食材の持続可能性の証明など、「消費する食品に関するより多くの情報も求めるようになる」と見られる。回答者の75%が、「食品を選ぶ際に持続可能性と環境への影響」を重要視しており、回答者の70%は、「環境に良い食事のためにより高い金額を支払うこと」を望んでいる。

 Deliveroo香港の暫定ゼネラル・マネジャー、ニック・プライス(Nick Price)さんは「地元のレストランが提供する最高品質の料理を、今も未来も食卓に直接お届けすることがDeliverooの使命」とした上で、「飲食業界は急速に進化しており、テクノロジーが私たちの食生活の未来を形作る上で重要な役割を果たすことは明らか。AIを活用したパーソナライズ化された食事サービス、没入感のある食事体験、持続可能性と環境への影響への強い関心など、食の未来は香港の人々にとって、またそれ以外の地域にとっても、エキサイティングで有望なものになりそう」と話す。

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