香港のビクトリアハーバーのプロムナードとプロムナード沿いにある「Salisbury Garden」芸術広場前で12月17日、日本から八王子高校(東京都)の吹奏楽・マーチングバンドの生徒110人がパフォーマンスを披露した。
同プログラムは「Youth Friendship 150 parade」と題し、香港で「音楽」を通じて世界の仲間達と交流することで、お互いの文化を理解し、価値を尊重する体験を双方に提供し、音楽を通じた2ウェーの交流を持続的に実施していくことを目的として開催されたもの。
日本を代表する吹奏楽・マーチングバンドを持つ八王子高校が企画に賛同し、香港ディズニーランド、サンズマカオホテル、香港を代表する観光スポットの一つである尖沙咀のプロムナード「Avenue of Stars」周辺をパレードするなど4泊5日のプログラムに臨んだ。同プログラムには地元の高校生との交流なども含めたプログラム構成が組まれた。
同高は「歌って・踊って・演奏できるバンド」をモットーに、もともと日本でも吹奏楽の強豪校として過去にもアメリカや台湾でのパフォーマンスを行ってきたが、今回はコロナ後初の海外公演として実現した。
15日には「アナと雪の女王」の新エリアで活気に沸く香港ディズニーランドでのパフォーマンスも実現した。ディズニー側も通常50人までが許されるパレードを110人全ての学生のパフォーマンスを許可し、世界中で愛される名曲「It's a Small World! 」などを演奏したという。
コロナ禍もあったことからほとんどの生徒が「初めての香港」となったが、3年の猪俣英菜さんは「大勢の人の前で一緒に盛り上がることができた。普段関わることができない人たちと交流できてうれしい」と話し、2生の飛川希さんは「言葉は違うが、音楽で会話ができてうれしい。大きな歓声をもらえた。香港ディズニーランドで城をバックに演奏できたことは何より思い出に残った」と笑顔をのぞかせる。
同部を指導する顧問の高梨晃教諭は「過去ヨーロッパや台湾など海外に行く機会があったが、その時は音楽祭などもともとあるイベントの一部として参加したものだった。今回のように自分たちだけがパレードする単独のパフォーマンスができ、温かく受け入れらているのを感じるとることができた」と手応えをつかむ。生徒らは「現地の場所の様子なども分からない中で準備しなければいけなくて、直前に決めることも多かった」と心配もあった様子だが、「香港は思っていた通り人が多く、思っていたより反応や歓声が大きかった」と振り返る。
ビクトリアハーバー沿いでは30分をかけて約650メートルをゆっくりとパレードし、最終地点の野外ステージでも9月からこの渡航のために練習を重ねた「It's a Small World! 」、「世界にひとつだけの花」など誰もが知るメロディに加え、祭らしさを演出する青森ねぶた祭のおはやしを取り入れた楽曲、地元八王子を盛り上げるナンバー「あっぱれ八王子」など日頃からの持ち曲と併せて披露した。