暮らす・働く

香港空港から広州までフェリーで2時間 高速フェリー運航開始

香港から約2時間で到着できるようになった琶洲港澳客運碼頭

香港から約2時間で到着できるようになった琶洲港澳客運碼頭

  • 47

  •  

 香港と広州を結ぶ2つのフェリールートの運航が5月4日、始まった。一つは尖沙咀(Tsim Sha Tsui)の中港城(China Hong Kong City)と広州に新たに建設された琶洲港澳客運碼頭で、もう一つは、香港国際空港(HKIA)の海天碼頭(Sky Pier)と琶洲港澳客運碼頭を結ぶもの。現時点で広州市の中心部にまで直接行ける唯一の交通機関として期待されている。

[広告]

 香港と広州を結ぶ路線は、西九龍駅(West Kowloon Station)から広州南駅までを50分で結ぶ高速鉄道がある。紅?(Hung Hom)と広州東駅を結ぶ「港鐵城際直通車(MTR Intercity Through Train)」があったが、コロナ禍が発生してからは、今でも運航を停止中で、この路線は廃止する計画となっている。高速鉄道の広州南駅は市街地に出るためには地下鉄で約30分かかるため、広州市中心部へのアクセスはあまりよくない。

 一方、琶洲港澳客運碼頭は、広州市内を流れる珠江に新しく建設されたため、高速鉄道と比べてアクセスが良い。総事業費は3億9,300人民元、面積が6500平方メートル、ふ頭の長さは280メートル、年間171万人の乗客を処理する能力がある。

 運航は、珠江客運(CKS)と越秀集団が共同で行う。特に香港に本社を構えるCKSは、長洲島(Cheung Chau Island)-中環(Central)、北角(North Point)-九龍城(Kowloon City)といった香港内の各港を結ぶフェリーを運航しているほか、中港城から中山、珠海、南沙、江門など広東省各都市を結ぶフェリーを運航するなどフェリーの運航においては多くの実績を持つ。就航に当たって新造された高速船は香港とマカオを結ぶ高速船と似たような外観で、260人乗り、37ノット以上で運航可能であるほか、従来の船より30%ほど使用燃料を削減できる。

 広州の琶洲とHKIAを結ぶ路線は1日1往復。琶洲発が9時45分、HKIA到着が12時5分着。折り返しのHKIA発は14時で、琶洲着が16時20分。片道料金は、広州発の「優亨クラス」を420人民元、「優越クラス」を360人民元に設定。香港発は、「優亨クラス」が380香港ドル、「優越クラス」が300香港ドルとなっている。琶洲発-HKIAの航路は、広州のフェリーターミナル側で、空港でのチェックイン、荷物の預け入れ、入国審査も併せて行うことができる。

 琶洲と中港城との路線も1日1往復する。広州を10時30分に出発し、13時に中港城に到着する。中港城発は14時30分で、広州着が17時。片道料金は、どちらの港から出発しても同一料金で、「優亨クラス」を320香港ドル、「優越クラス」を250香港ドルに設定した。

 既に広州のフェリーターミナルは第2期の建設工事が計画されており、完成後は全10艘で運航する予定があるほか、マカオのタイパ島(マカオ国際空港)と広州を結ぶ路線などの路線拡大も視野に入れている。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース