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香港に日本人シェフが手がけるイタリアン「CITRINO」 香港野菜も使い

イタリア料理「CITRINO」のスペシャリテメニュー「バーニャカウダ」

イタリア料理「CITRINO」のスペシャリテメニュー「バーニャカウダ」

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 日本人シェフ神保佳永さんが手がけるイタリア料理「CITRINO」(2/F, 18 On Lan Street, Central TEL: 6366 2856)が6月7日、香港の中環からほど近いが喧騒(けんそう)から離れた安蘭街にオープンした。神保シェフは東京・青山で「JINBO MINAMI AOYAMA」も経営する。

料理ディレクターを務める日本人シェフ神保佳永さん

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 香港進出に当たっては、香港のオーナーであるルイ(Louie Shum)さんが東京の店に足しげく通い、「香港でやってみないか」と口説いたことがきっかけだという。神保さんは20歳で渡仏・渡伊、各地方のミシュラン星付きレストランで約2年間の修業の後、ホテル勤務などを経て、東京で店を経営してきた。

 インテリアデザインはルイさんが手がけたが、1950年代のイタリアン・スタイルを再解釈し、ベルベット、ビンテージの質感に大理石など、「豪華な内装と細部にまでこだわりを見せた」という。シャンデリアや壁掛け燭台(しょくだい)もあしらう。

 香港の店も東京の店と同じように野菜を多く使い、季節の食材、とりわけ野菜をふんだんに使ったイタリア料理を提供する。チーム体制は、神保さんが料理ディレクターとして全体の指揮を執り、現場は神保さんの下で修業したサイラス料理長が常駐する。神保さんもオープンに当たり来港したほか、今後も毎月のように来港する予定という。

 店のコンセプトは「Nippon Italian Cuisine」。ただのフュージョンイタリアンではなく、イタリア料理の革新と伝統を融合し、日本の味で再定義する。日本、イタリアなどの食材だけでなく、地元香港の食材も使うことを決めた。日本の店で一般的なコースではなく、香港ではアラカルトで注目ができ、シェアスタイルで利用しやすいようにメニューを構成する。

 日本でも30種以上の野菜を使った「バーニャカウダ」がスペシャリテだが、香港でもメインに据えた。神保さんはスティックセニョールや空心菜など、特に葉物野菜は香港のものも評価する。旬の食材を使い、発酵させたり、じっくり煮込んだり、焼いたり、揚げたりするなど、さまざまな調理法で作り、「香り、酸味、甘み、塩味のバランスに加え、野菜の大きさ、食感、調理法の違いなどを感じ取れるメニューに仕上げた」という。

 トマトソースとウニのスパゲティ「PASTA ALLA CHECCA」(438香港ドル)は、トマトをピューレ状にしたクーリで味わう冷製パスタで、北海道産のウニと静岡のアメーラトマトを組み合わせ、最後にキャビアをのせてうまみを融合させる。

 「Bean Sformato with Sea Urchin」(368香港ドル)は、緑の豆類を使ったスフォルマートと呼ばれるアイテムで、プリンやスフレのような食感を作り出す。カリカリにした生ハムのクランブルを添え、食感はクリーミーさも残した。現在は和歌山のうすい豆、グリーンピース、そら豆を使うが、季節によって山形の枝豆などに変えていく。

 アミガサタケ(モリーユ)とアンズダケ(シャントレル)のリゾット「Morchella CHANTERELLE Saffron Foam Risotto」(560香港ドル)は、サフランの泡を冠し、金箔(きんぱく)をちりばめた。イタリアの熟成米「アケレッロ米」を使って「クリーミーな食感と深みのある味わいを引き立てる」という。

 当面の営業は月曜・水曜・金曜・土曜の18時~22時。要予約。通常営業開始後は、ランチ=12時~15時、ディナー=18時~22時(金曜・土曜は22時30分まで)。

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