2020年に香港に進出して以来、香港でも行列ができる台湾の牛肉麺店「段純貞」が6月21日、香港で5店舗目となる新店舗を黄竹坑の新ショッピングモール「THE SOUTHSIDE」(Shop205, 2/F, THE SOUTHSIDE, 11 Heung Yip Road,Wong Chuk Hang, Hong Kong TEL 2117 0637)にオープンした。
総面積1900平方フィート、68人を収容できる店内は、木工細工とグレーの壁、スタイリッシュな照明を組み合わせ、素朴な風合いにデザインした。
同店は2007年、創業者の樊廣志さんが亡き祖母、段純貞さんにちなんで名付け、台湾の新竹で開店したもの。1945年に中国四川省から台湾に移り住んだ段さんは、豆板醤、発酵トウガラシ「泡椒」、大豆発酵食品「麻辣豆腐乳」麻婆豆腐、発酵もち米「甜酒釀」などの四川調味料を専門に作り、新竹空軍基地の外省人が居住する地区「眷村(けんそん)」の自転車屋台でソースや煮込み野菜を売って生計を立てていた。 その後、段純貞さんの子どもと孫が、祖母の四川料理の職人技に敬意を表し、伝統的な台湾牛肉麺の専門店を開いたという背景がある。現在、同店は台湾に11店舗、香港に5店舗、カリフォルニアに2店舗を構える。
家庭の味をベースにした台湾牛肉麺は調理に18時間以上かかる。生の牛肉を揚げて天然の脂を抽出し、23種類のスパイスとハーブをブレンドして8~9時間じっくり火を通して炒め、新鮮な牛骨スープを加えて煮込む。 「温かく、しかし熱すぎず、脂っこすぎないスープ」で提供する。
麺は細麺と幅広の手打ち麺の2種類から選ぶことができ、「どちらもスープを吸い込むように設計している」という。細麺には複数の空気穴を開け、液体の風味を吸収し、手打ち麺は何度も生地を重ねることで、「コシと弾力があるだけでなく、太さがふぞろいになり、スープによく絡む」という。
看板麺メニューは、牛スネ、牛スジ、ハチノス、牛バラのスライスなどさまざまな部位を使った「犇牛四寶麺」(108香港ドル)と、6時間煮込んだ牛すじ煮込みを添えた「招牌紅燒腱心牛肉麺」(86香港ドル)の2つの麺を軸に展開する。
牛肉以外のメニューもあり、鶏肉を6時間じっくりと煮込んで鶏の香りを引き出した濃湯燉鶏麺(88香港ドル)のほか、揚げスペアリブを載せた「酥炸排骨麺」(78香港ドル)に加え、「台式肉燥飯」(78香港ドル)などのご飯物もラインアップした。台湾特産のネギを使った「三星葱肉鍋餅」(48香港ドル)や、台湾唐揚げ「鹽酥鶏」(48香港ドル)などのサイドメニューもそろえる。
新店舗では中国の伝統的な煮込み料理である「滷菜」を限定メニューとして提供するほか、オープンを記念して、期間限定でドリンク店「Chatime」の台湾茶各種にアップグレードできる。滷菜で同店がマリネする際に使うタレは、伝統的なものよりもしょうゆベースだが、同時に八角(スターアニス)の量を減らし、スパイスとハーブの割合でマリネ液を調整し、台湾のさまざまなスタイルの煮込みの味を反映している。煮込み盛り合わせ「滷水併盤」(98香港ドル)は、ハチノス、牛スネ肉、煮卵、豆腐やキノコ類などを煮込んだものを盛り合わせる。単品でも豚のミミ「豬耳」や、豚の腸「猪大腸」、アヒルの舌「鴨舌」(各68香港ドル)などのほか、豆腐、アワビ茸、ベビー野菜を集めた「台式滷菜」(58香港ドル)や木綿豆腐「老豆腐」(38香港ドル)なども用意し、本場の夜市料理のエッセンスを再現した。
デザートメニューも台湾同様用意し、手作りのタロイモ団子を使う汁粉「雙芋紅豆湯」(30香港ドル)やココナツミルク、黒糖タピオカ、紫芋やタロ芋のペースト、タロイモ団子をミックスした「純貞芋圓4號」(48香港ドル)などもメニューに並べる。
営業時間は11時30分~22時。