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黄竹坑に初のモール「THE SOUTHSIDE」 香港島北部も商圏に

黄竹坑駅と直結するショッピングモール

黄竹坑駅と直結するショッピングモール

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 MTR黄竹坑(Wong Chuk Hang)駅のすぐ南に建設された大型ショッピングモール「THE SOUTHSIDE」(11 Heung Yip Road, Wong Chuk Hang Hong Kong TEL 2575 9038)が12月12日、開業した。現在はソフトオープンとなる。

モール内の様子。通路幅も広くすっきりとした印象

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 黄竹坑初のショッピングモールだが、南区(Southern District)の住民は約27万人おり、南区全体の生活利便性の向上が図られるほか、北部と比べて開発が遅れていた南部の発展に貢献するものと期待されている。

 黄竹坑の大半の土地は、海洋公園(Ocean Park)がその多くを占めており、数少ない土地は基本的に工場街とカナダやシンガポールのインターナショナルスクールを含め各種学校が集まる場所として発展してきた。

 同地区へはバスでのアクセスが基本だったが、MTR南港島線(South Island Line)の東ルートが2016年に全線開通によりアクセスが一気に向上したほか、香港政府は南区の再開発計画「躍動港島南(Invigorating Island South)」を推進しており、開発が一気に進められているエリアとなっている。

 THE SOUTHSIDEは南部開発の目玉プロジェクトで、黄竹坑駅のすぐ南側にある敷地面積77万1000平方フィートの土地を活用した。下層部分はMTRの車両基地として使い、その上の部分を第1期~第6期の高層マンション合計14棟(5200戸分)とショッピングモールとして開発。MTR黄竹坑直結の出入り口も設置されている。

 ガラスをできるだけ使って自然光を多く取り入れるようにしたほか、ベージュを基調とした色使いに加え、モール全体のデサインも直線より曲線を多用することで、柔らかい雰囲気のモールを作り出している。

 ショッピングモールは5フロアで、売り場面積は51万平方フィート。駐車スペースは235台分を備える。第1期~第6期の住宅を全てつなぐハブとなるほか、1万4000平方フィートの「公共休憩空間」を設けた。コンサートやイベント会場として使える3000平方フィートの舞台も設けるなど、コミュニティーの中心地となるような場所になることも期待している。

 店は、ファッション、飲食、電器、娯楽など生活に必要な約150ブランドの小売店が入る予定で、今回のソフトオープンでは、電気量販店「AV Life」、ドラッグストア「屈臣氏(Watsons)」など30店舗が開店した。「生活提案(City Life)」は世界中からセレクトして集めた家庭用品や家電を販売する店だが、同ブランドは香港でホームセンターを展開している日本城(Japan Home Centre)が運営する新しい業態の店になる。ほかにも、画廊「THE WHITE BOX. Creative Space by Little Prince Art」、テコンドー教室「U & I Korea Taekwondo」、囲碁「香港棋院(Hong Kong Chess and Go Academy)」など、従来のショッピングモールにはあまり見られないテナントが入るのも特徴だ。

 レストランでは、1952年創業のロシア料理店「皇后飯店(Queen’s Cafe)」、雲呑(わんたん)麺や粥(かゆ)を提供する「有名堂(Prestige Cuisine)」、香港スタイルのファミリーレストランである茶餐庁の「瓊芳冰廳(King Fong Bing Teng)」などがオープン。今後も新しい料理店が続々開店する予定だという。

 黄竹坑駅は金鐘駅(Admiralty)駅2駅目、わずか約8分で到着するアクセスの良さから、香港島北部の住人をターゲットとした商圏として十分成り立つ。2023年は大圍駅(Tai Wai Station)横に「圍方(The Wai)」、啓徳駅(Kai Tak Station)そばに「AIRSIDE」など地下鉄駅そばに次々とショッピングモールが完成している。2024年も同じ啓徳に「そごう」が入居する予定のモールの建設が進行しているなど、今後も新しいショッピングモールのオープンが予定される。

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