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K11、米アミューズメント会社と合弁会社設立 空港に水がテーマの新施設

空港に建設予定の商業施設「11 SKIES」

空港に建設予定の商業施設「11 SKIES」

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 香港最大手のデベロッパーの一つである新世界発展(New World Development)の傘下企業で、香港・中国でショッピングモールなど運営する傘下企業「K11 Concepts」が10月2日、米アミューズメント会社「Falcon’s Beyond」と合弁会社を設立するとを発表した。第1弾として香港国際空港(HKIA)東側に建設している大型商業施設「11 SKIES」に深海をテーマとしたアトラクションを造る。

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 イギリスに本社を構える世界の航空関係の格付け会社スカイトラックスが2023年3月に発表した世界空港ランキングでHKIAは33位だった。2000年代前半は世界一に輝くなどしていたが、設備の老朽化と、その後、新機能やエンターテインメント施設が充実した空港が世界中で続々と建設されたため、順位を下げてきた。HKIAを管理する機場管理局(AA)は第3滑走路や新ターミナルの建設のほか、HKIA東側にある広大な土地を使って大型商業御施設などを造ることで世界のハブ空港としての地位を取り戻したいと考えている。

 その東側に作られる施設の一つに、新世界が2025年の完成を目指して工事を進めている「11 SKIES」がある。延べ床面積は380万平方フィートで、これまで同社が香港や中国各地に建設してきた芸術を軸にしたショッピングモール「K11」に、医療や金融サービス、エンターテインメントの要素まで加えた集大成的な商業施設と位置付けている。

 既に11 SKIESには、日本でも人気の子ども向け職業体験型テーマパーク「キッザニア」が香港初出店するほか、「4D」技術を使って香港上空を旅するアトラクション、イギリスの児童文学作品に登場する「くまのパディントン」のテーマパーク建設が決まっている。

 フロリダ州オーランドに本社を置くFalcon’s Beyondは、テーマパーク向けのアトラクションの設計、ホテルや小売店、レストランの運営を、ワシントン、ドバイ、シンガポールなどで展開している。米マーベル・スタジオや韓国のロッテワールドを中心に音楽の原盤も持つなど、各種知的財産(IP)を多数保有。IPを生かしたビジネスも手がける。今回、新世界と合弁会社を作ることで香港に進出し、11 SKIESがオープンした後は、中国本土12カ所でビジネスを展開する計画だ。

 合弁会社が11 SKIESに造るのは、複合現実(MR)という新技術を使って深海を冒険することが体験できるアトラクション施設「Vquarium」。香港初となるMR施設で、来訪者は没入感のあるゴーグルを使い、潜水艦に乗ったような感覚で深海を探索。深海の地形や生物などを間近に見ることができるなど、現実世界では潜水艦に乗らなければできない体験をMRを使うことで、現実に近い疑似体験ができるようにする。

 両社とも、「Vquariumを通じて深海について知識を深めてもらったり、環境保全意識を高めもらったりしてほしい」としている。

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