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香港「シティスーパー」、啓徳Airsideに新店 18年ぶり

18年ぶりの新店をオープンしたCity'super

18年ぶりの新店をオープンしたCity'super

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 香港の高級スーパーマーケットの一つ「city'super(シティ・スーパー)」の新店が11月16日、啓徳(Kai Tak)にできたショッピングモール「AIRSIDE」に開業した。

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 同ブランドは、最近では駅ナカ店舗などの業態を開いてきたが、スーパーマーケットとしては沙田(Shatin)にある新城市広場に2005年にオープンして以来18年ぶり。新店では、ローカル、クラフトマンシップなど5つの要素を踏まえた店づくりに取り組む。

 シティスーパーは、香港西武で働いていた石川正志さんら日本人6人と現在シティスーパー・グループのプレジデントを務める●嘉華(Thomas Woo)さん、アパレル企業「三黄集団(Fenix Group)」を創業した荻野正明さん、海港城(Harbour City)などを保有する大手デベロッパー「九龍倉集団(The Wharf (Holding))」の親会社で香港有数のコングロマリット「會徳豊(Wheelock and Company)」のトップを務める呉光正(Peter Woo)さんが中心となって立ち上げた高級スーパー。1996年に銅鑼湾(Causeway Bay)の時代広場(Times Square)に1号店をオープンしたのが始まり。事実上、香港初の高級路線のスーパーで、「Log-in」といったライフスタイルの分野でも幅を広げたことで、香港で成功を収めた日本のDNA色が強い高級スーパーでもある。

 18年ぶりとなる新店だが、常に新しい場所を探してきたものの、「出店方針にピタリと合う物件がなかった」という。今回は株主であるフェニックスグループがAIRSIDEを建設した南豊集団(Nan Fung Group)を紹介したことから出店の話し合いが始まった。

 南豊集団の広報担当者は「シティスーパーに出店してもらうに当たり、AIRSIDEのコンセプト、文化、将来の展望を含めた戦略などを説明した。今、高級路線のスーパーはたくさんあるが、香港で信頼され、サステナブルなことも積極的に行っているので、ぜひ出店してほしいとお願いした」と話す。シティスーパー側も南豊集団の考えに共感し出店を決めた。

 2万5000平方フィートある店は「本地薑(Local Gems)」「匠藝精神(Craftsmanship)」「可持續發展(Sustainability)」「首次登場(First in Hong Kong/AIRSIDE)」「便捷健康料理(Ready to Eat)」との5つの要素をテーマとしている。本地薑は香港にある「素晴らしい商品」に焦点を当てたもの。これまでは世界にある商品を紹介してきたシティスーパーだけに、ある意味、今までの路線の逆を行く。「ForME Honey」(186香港ドル)は屯門(Tuen Mun)にある養蜂場で採取された蜂蜜だが、商品化するに当たり、添加物を一切入れていないのが特徴。

 匠藝精神では、イタリアのParmigiano Reggianoがチーズと一緒に90日間熟成させた牛肉を提供する(100グラム175~235香港ドル)ほか、香港のクラフトビールメーカー「Deadman Brewery」が開発したアメリカ産カボチャを使ったラガービール「Deadman Pumpkin Lager」を販売する(54香港ドル)。便捷健康料理では、すぐに食べられるものを多数用意した。大阪に本社を構え75年の歴史を誇り、いなり揚げやすしの具材を販売する松田食品工業と提携。同社が「いなり揚げ」と呼ぶ油揚げを使った稲荷ずしが入ったすしセット(12貫188香港ドル)など、香港人にはまだ十分に浸透していない稲荷ずしを推す。

 啓徳周辺の再開発は始まっているが、旧滑走路沿いに建設されたマンションの一部が完成しただけ。?プレジデントは「まだ住民が多いとは言い切れないが、商品ももっと香港という地元にフォーカスし、商圏を広く捉え、例えば東側なら将軍澳(Tseung Kwan O)辺りまでを想定している」と話す。

 営業時間は10時~22時。

 ●=烏へんにおおざと。

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