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香港M+で建築家イオ・ミン・ペイ回顧展 中国銀行タワーの模型も

香港M+で開催されている建築家イオ・ミン・ペイの初の本格的回顧展「Life Is Architecture」©Wilson Lam, M+

香港M+で開催されている建築家イオ・ミン・ペイの初の本格的回顧展「Life Is Architecture」©Wilson Lam, M+

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 香港の美術館M+で現在、20世紀から21世紀にかけて最も影響力のあった建築家で、「I.M.ペイ」として広く知られる中国系アメリカ人建築家イオ・ミン・ペイ(1917-2019)の初の本格的回顧展「Life Is Architecture」が開催されている。

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 ワシントンD.C.のナショナル・ギャラリー東館やパリのルーヴル美術館のガラスピラミッド、ドーハのイスラム美術館、MIHO MUSEUMに加え、三角形の光のラインが香港のスカイラインの中でも最も目立つ幾何学模様を連想させる「バンク・オブ・チャイナ・タワー」など、世界中で大規模な建築を手がけたペイ。2019年に享年102歳で逝去した後、没後初めての大規模個展となる。象徴的なプロジェクトとあまり知られていないプロジェクトの両方に目を向けた。

 1917年に中国・広州市で生まれたペイは、香港で生活をした後、上海に移る。35年に渡米し、マサチューセッツ工科大学で学士号、ハーバード大学大学院で建築学修士号を取得。その後、バルター・グロピウスの設計事務所や不動産開発会社のウェッブ&ナップ社で建築家として勤務し、アメリカ国籍を取得後、65年にニューヨークで自身の建築設計事務所「I・M・ペイ&パートナーズ」を設立。後に「ペイ・コブ・フリード&パートナーズ(Pei, Cobb, Freed & Partners)」に改称し、大きな組織では実現し得ない自ら選んだ仕事に専念した。

 7年の歳月をかけて制作された今回の回顧展では、400点以上のオブジェを展示。その中には、機関や個人が所蔵するオリジナルのドローイング、建築模型、写真、フィルム、その他のアーカイブ資料も含まれている。M+のデザインと建築を担当するキュレーター、シャーリー・スーリヤ(Shirley Surya)さんと、オランダ・ロッテルダムの博物館ニュー・インスティテュートのジェネラル&アーティスティック・ディレクター アリク・チェンさんがキュレーターを務める。

 ペイの生涯と作品に6つの分野から焦点を当て、そのユニークな活動を定義するだけでなく、建築プロジェクトを社会的、文化的、伝記的な軌跡と対話させることで、「建築と人生が切り離せないもの」であることを示した。初公開のものも多く含む。

 「ペイの異文化の礎」では、ペイの生い立ちと建築教育が、文化を超え、伝統と現代性の間にある複数の影響源を調和させる能力の基礎となったことを示す。「不動産と都市再開発」では、ニューヨークの不動産デベロッパー、ウェブ&ナップの一員として、あまり知られていないペイのキャリアの一端を紹介。1960年代のアメリカにおける複合用途計画、住宅、都市再生プロジェクト、その後の国境を越えたプロジェクトにおけるペイの貢献を探る。最後の「デザインによる歴史の再解釈」では、近代建築をさまざまな歴史、伝統、生活様式、特に生まれ故郷に関連したものに関連させるというペイの長年の関心を検証した。

 同館は香港大学と香港中文大学の建築学部の2つの修士課程と提携し、それぞれ高層建築と文化空間の設計に焦点を当てる。学生たちはスタジオで、ペイの最も重要な建築・未建築プロジェクトの模型5つを制作した。M+のSuhanya Raffel館長は「私たちは、20世紀と21世紀の建築環境を形作ったこの伝説的な建築家にささげられた初の本格的な回顧展を開催できることを光栄に思う」と話す。

 2025年1月5日まで。

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