香港で日本のテイクアウトすしを提供する「いっぽん寿司(ずし)」(78-82 Wharf Rd, North Point TEL9369 2346)が7月5日で1周年を迎えた。
斉藤大樹さんと和田勇一さんの二人三脚でスタートしたテイクアウトすし
北角の和富道に位置し、周辺には多くのマンション群があることから地元住民の客も多い。熊本出身の店主・斉藤大樹さんは香港で柔道のオリンピック香港代表のコーチも務めてきた。長く柔道を続けてきたことから同店の名前にも柔道技の「いっぽん」を付け、盛り合わせメニューにも「一本背負」「巴投」などを付けたほか、ポイントカードも白帯、黒帯、赤帯などの柔道用語を並べる。以前の職場の同僚で、築地市場での仲買や、10年以上小売りのすしを握ってきたパートナー、和田勇一さんとタッグを組んで経営してきた。
現在は週2便ある九州から直送の魚と、水曜・日曜以外は毎日便がある豊洲から直送の魚を仕入れ、毎日新鮮なすし・魚を提供している。旬を意識した魚も注文し、「週1回利用する客が、毎回来ても新しい種類の魚がある状況を作りたい」という。
店舗面積は約200スクエアフィートで、イートインコーナーも併設。入り口付近にショーケースがあるが、注文が入ればすぐにキッチンで握る。握りは1貫から注文可能で、コハダ(23香港ドル)、シマアジ(24香港ドル)、大トロ(48香港ドル)、中トロ(41香港ドル)、赤身(25香港ドル)など。軍艦巻き(14ドル~)10種、手巻き(23ドル~)15種のほか、丼は海鮮刺し身丼(128香港ドル)、ネギトロ丼(98ドル)など9種類を提供する。刺し身盛り合わせは1人前(220香港ドル)のほか、すしの盛り合わせ10貫(280香港ドル)で人数によっては船盛りなどの用意もある。
「香港のすしと言えばお任せで、1,000香港ドル以上になることも多い。テイクアウトを中心にすることで、通常のレストランよりはコスパよく、すしを食べてほしい」と斉藤さん。「香港には特有のパーティー需要がある」と言い、クラブハウスでの集まりやボートパーティー、ホームパーティーなどでの注文に加え、「日本人がその場で握る」パフォーマンスを希望する客もいるため、「今後、さらにパーティー対応に力を入れていきたい」と話す。
1周年記念としてマグロ解体ショーなどの企画を用意するほか、香港の常連客が香港の市場からカツオ10本をプレゼントで持ち込んできたという。「香港の地元の魚も試してみて」と声をかけてもらったと言い、「こういう下町的な雰囲気が、ここで店をやって良かったと思うところ。今後も香港で一番コスパがいいと思ってもらえるように頑張りたい」と決意を新たにする。
営業時間は、ランチ=12時~15時、ディナー=17時~21時30分。