7月26日に開幕するパリ五輪を前に、香港でもようやく五輪熱が高まり始めている。
康樂及文化事務署(LSCD)は香港内18区にある指定体育館でパブリックビューイングを行うほか、香港内にあるショッピングモール30カ所以上でも中継をする計画がある。東京五輪では金1、銀2、銅3の計6個のメダルラッシュとなった香港代表だが、パリ五輪でもメダルを狙える競技がある。人口約730万人の街からメダリストを輩出した場合の価値は高い。
放送体制では、東京五輪では香港政府が放映権の交渉を行ったが、パリ五輪でも引き続き香港政府が主導して放映権を購入した。文化體育及旅遊局(Culture, Sports and Tourism Bureau)は、無線電視(TVB)、VIU TV、HOY TV、香港電台(RTHK)の4局にサブライセンスの形で放映権を与えた。
TVBは芸能人を活用しながら翡翠台、TVB Plus、無線新聞台、Jadeの無料4チャンネルと有料放送のmyTV SUPERで17チャンネルの放送体制で計5000時間の放送を行う。同じく17チャンネルで放送するプラットホームを用意したVIU TVは計2000時間。この2局は、ほぼ全ての競技をカバーする上、多くを生中継で放送する予定。HOY TVは、香港人には有名な解説陣に力を入れ、硬派な放送を行うという。
充実した放送体制を生かして香港ではスポーツバーがにぎわう見込みだが、香港政府は前回の東京五輪に引き続き、18区にある各体育館から1つを選び「活力奧運觀賞站(Olympics Focal Site)」と題したパブリックビューイングを8時~23時に行い、パリ五輪を盛り上げる。さらに香港内にあるショッピングモールでは、約30カ所でパブリックビューイングが行われる。将軍澳(Tseung Kwan O)のPopWalk、西九龍(West Kowloon)の圓方(ELEMENTS)、黄竹坑(Wong Chuk Hang)のThe Southside、●湾(Tsuen Wan)の●新天地(Citywalk)、中環街市(Central Market)、旺角(Mong Kok)の新世紀広場(MOKO)などでの放映がある。
今回の香港代表団は総勢90人で、そのうち選手は男子16人、女子19人の合計35人が競技に参加する。7月9日には壮行会が行われた。金メダルを獲得すれば前回より100万香港ドル増の600万香港ドル、銀は同50万香港ドル像の300万香港ドル、銅は同25万香港ドル増の150万香港ドルの報奨金が与えられる。
香港代表の注目選手は、東京五輪の男子フェンシングのフルーレで金メダルを獲得した張家朗選手がパリ五輪にも参加するほか、女子フェンシングでは東京五輪ではベスト8で、現在世界ランク1位の江旻●(Vivian Kong)がエペに出場する。女子競泳の何詩●(Siobhan Bernadette Haughey)は東京五輪の自由形100メートルと200メートルで銀メダリスト。今年も好調で、2月にドーハで開催された200メートル自由形で金メダル、100メートル自由形で銀メダル、100メートル平泳ぎで銅メダルに輝くなど、個人で複数メダルを十分狙える位置にいる。バドミントンでは、混合ダブルスで世界ランク7位の●俊文・謝影雪ペアも虎視眈々(たんたん)とメダルを狙う。
●=草かんむりに全。●=りっしんべんに恵。●=草かんむりに倍。●=登におおざと。