イギリスの大学評価機関のQuacquarelli Symonds(QS)が11月6日、アジアにある大学のランキング「QS World University Rankings: Asia 2025」を発表し、香港の大学はトップ10に3校、トップ20に5校がランクインした。
香港の最高位は香港大学(The Hong Kong University)の2位で、レベルの高さを見せる。1位は北京大学、日本の最高は東京大学の21位だった。
この調査は25カ国・地域、984校を対象に行われた。評価項目は、1=「研究と発見」、2=「学習体験」、3=「グローバルな取り組み」、4=「雇用され得る能力」の4項目が中心に、ほかにも「授業料」、「学生の多様性」なども評価対象と、全項目を100点満点で審査する。
「研究と発見」においても「論文の引用数」「学部としての論文数」「学術的な評判」という細かな評価項目、学習体験では「教員と学生の比率」「博士号を持つ教員数」などの項目がある。「グローバルな取り組み」は「国際研究ネットワーク」「留学生」「海外への交換留学生の比率」「学内交流」「外国人教員の比率」がある。4番目の「雇用され得る能力」は「雇用主からの評判」という項目がある。
前年と同じ2位に入った香港大、「学術的な評判」で100点を得たほか、「論文の引用数」で99.5、「国際研究ネットワーク」で98.4、「雇用主からの評判」で96.8と高いスコアを得る項目が多かった。
同10から6位に順位を上げたのが香港中文大学(The Chinese University of Hong Kong)。こちらも「学術的な評判」で99.9ほか、「論文の引用数」では香港大を上回る99.6を記録。留学生は99.4などとなっている。
2023年の17位から一気に10位内にランクインしたのが「香港城市大学(City University of Hong Kong)」。「グローバルな取り組み」では5項目中「国際研究ネットワーク」を除く4項目で100点だったほか、「論文の引用数」も99.8と高いスコアだったが、「雇用主の評判」は74とほかの項目と比較して低いスコアだった。
惜しくもトップ10を逃したが11位に入ったのが「香港科技大学(The Hong Kong University of Science and Technology)」だが、それでも前年の15位から順位を上げた。理系の大学らしく「論文の引用数」も99.9、「学術的な評判」は99.7を記録した。相対的に弱かったのは「国際研究ネットワーク」の70.6だった。
17位は前年の23位から順位を上げた「香港理工大学(The Hong Kong Polytechnic University)」は、科技大同様に「論文の引用数」も99.9、「学術的な評判」は98.2の2点で高いスコアを得た。一方で、「博士号を持つ教員数」は64.9と科学系の大学としては不安の残る数字となった。
「香港浸会大学(Hong Kong Baptist University)」は前年の64位から71位に順位を落とした。「論文の引用数」は96.9だが、このあたりになると「雇用主からの評判」は43.7と50を切るスコアも散見されるようになる。
とりわけ大学の数が少ない香港市場で、浸会大学を除いた香港の大学が順位を上げており、香港の大学のレベルのが浮き彫りになった。
一方、日本の最高学府東京大学は、21位で前年の14位から7つ順位を下げた。「学術的な評判」と「雇用主からの評判」は100だが、「論文の引用数」が35.8、「海外への交換留学生の比率」は37.8などが低い評価だった。