「白トリュフの塩パン」で知られる日本のベーカリー「TruffleBAKERY(トリュフベーカリー)」(G/F, The Hedon, 11 Matheson Street, Causeway Bay)が12月15日、銅鑼湾に香港1号店をオープンした。海外初店となり、フランチャイズで展開する。
日本で同ブランドを展開するのは、ヨーロッパ食材をEC販売する「ドレステーブル」。2017年に東京・門前仲町で1号店を創業し、現在国内では小型店舗の「TRUFFLE mini」などを含め20店舗を展開している。
香港1号店は、銅鑼湾のタイムズスクエア近くの路面に、3000平方フィート・2階建ての旗艦店として構えた。同ブランドの店舗デザインの特徴である、ヨーロッパ風の赤レンガの壁を香港でも採用。上階は厨房、下階を販売スペースとして利用する。
日本と同じクオリティーを再現するため、オープン前から同ブランドのエグゼクティブシェフが来港し、生地の発酵、パンを焼く温度や時間の管理など、細部までこだわる日本のレシピを香港のシェフに伝えたという。
一番人気の「白トリュフの塩パン」(23香港ドル)は、生地に詰めた自家製トリュフバターとイタリアのアルバ産白トリュフオイル、パンの上に振りかけるフランス産トリュフ塩、3種類のトリュフを使う看板商品。その他、塩パンに次いで二番目に人気があるという「黒トリュフの卵サンド」(39香港ドル)や、「生ドーナツ」(19香港ドル)、「カルダモンロール」(23香港ドル)など、日本のシグニチャー商品を中心に約20種類を用意した。
さらに日本と香港のチームが共同で香港限定商品も開発し、2種類を販売する。看板商品の塩パンをアレンジした「チョコレートトリュフ塩パン」(27香港ドル)は、パン生地と生クリームにフランス産60%ダークチョコレートを使い、仕上げにトリュフ塩を振りかけ、「甘みの中にほんのり塩味を感じる味わい」に仕上げた。
もう一つの限定商品「キンモクセイウーロンとイチジクのサワードウ」(78香港ドル)は、キンモクセイの花をウーロン茶に一晩浸し、酵母、イチジク、クルミとブレンドした後、生地を14時間かけて発酵させて風味を高めた。同社ベーカリー事業部マネジャーの茂木玖美さんは「ウーロン茶を使った商品開発は、香港チームならではのアイデア。日本にも逆輸入したいような商品ができた」と話す。
本店近くの清澄白河にロースタリーを構える「Allpress Espresso」と共同開発したオリジナルコーヒー(26香港ドル)も用意。日本の最新店舗と同じスタイルで、サーバーにカップを置くと自動でコーヒーが抽出されるマシンを使い提供する。
香港では、1号店の厨房を生かして小型店舗の出店も検討していくほか、「香港以外のアジアの国からも出店オファーが複数あり、検討を進めている」と茂木さんは話す。「最近はインバウンド客も多く、旅行の際に日本の店舗を利用したり、看板商品の塩パンなどがアジアでもSNSで取り上げられたりしているが、今回の出店で、さらに多くの人にブランドを知ってもらえるのでは」と期待を込める。
営業時間は10時~20時。