香港を拠点とするキャセイパシフィック航空傘下の格安航空会社「香港エクスプレス」が1月6日、2024年の年間搭乗者数が600万人を超え、「2024年に世界で最も急成長する航空会社」に選ばれたと発表した。世界の旅行業界向けの主要なデータプラットフォーム「OAG」の調査によるもの。
年間輸送人数が過去最高を更新したことを受け、6日、香港発福岡行きのUO668便のゲートで600万人目として香港人の温さんに往復航空券6枚が贈られた。
同社の毛潔瓊CEOは「ネットワークの拡大、機材の増強、全体チームの強化に積極的に取り組んでいる。今年は香港エクスプレスにとって重要な年。香港唯一の格安航空会社として今後も手頃な運賃を提供し、旅行者がいつでもどこでも自由に旅行できるように、エキサイティングな新しい目的地を紹介していきたい」と話す。
同社は、2024年の総旅客数が前年比40%増という成長を遂げた。総便数は2023年が2万3900便に対して、2024年に約3万5000便を運航。2024年に保有機数を40機に増やし、輸送能力を高め、アジア全域の目的地ネットワークを拡大している。成田行きは毎日5便、週35往復運航し、羽田行きも毎日3便、週21往復を運航。東京便だけで毎日8便、週56往復が飛び、1月25日からさらに成田に1便を増便する予定だ。関西も成田と同じ週35往復を確保する。
ほかにも主要都市では、福岡、名古屋、広島に路線を持つほか、高松線も毎日運航している。昨年12月17日には初の路線となる静岡へ就航し、1月17日には仙台にも就航予定があるなど、日本の地方都市へも積極的な姿勢で取り組んでいる。
香港エクスプレス航空は、日本、韓国、東南アジアに注力し、中国本土、日本、フィリピン、マレーシア、韓国、台湾、タイ、ベトナムを含むアジアの27都市に定期航空便を運航している。中国本土は北京と寧波に就航の2路線とし、台湾でも、台北、台中、高雄に加え花蓮に、フィリピンでもマニラに加え、クラーク、タイもフーコック島などの路線がある。香港国際空港をハブ空港とし、エアバスA320とA321型機のみを使っている。
独自の戦略を持ち、強力なマーケティングキャンペーンを展開していることに加え、荷物規定なども度々変更して、航空券は現在、4段階の料金設定がある。利用者もこれに合わせて、日本行きなどでは行き帰りのプランを変えたり、日本で買い物したものを別の手段で送ったりと個人客向けならでは工夫をしている利用者も多い。一方、事実上、香港の旅行会社には座席を供給しないという方針から、日本送客のツアーなどには組み込めないという現状もある。
今後も、親会社のキャセイパシフィック航空と共同で、今年中に世界100路線の就航を目指し、国際航空業界における主要プレーヤーとしての地位を強化していきたいとする。