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福島県、香港日本人倶楽部でレセプション 県産の米・日本酒などアピール

福島県が開催した「ふくしまの夕べ-ふくしまのコメ、SAKEを味わう新年会-」の様子

福島県が開催した「ふくしまの夕べ-ふくしまのコメ、SAKEを味わう新年会-」の様子

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 福島県が1月17日、香港日本人倶楽部で「ふくしまの夕べ-ふくしまのコメ、SAKEを味わう新年会-」を開催した。後援は在香港日本国総領事館。会場では福島から持ち込んだ早咲きの桜「東海桜」70本が彩りを添え、関係者や福島県産品を扱うサプライヤーなど46人が参加した。

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 2011年以前、香港は、福島県の農水産物の輸出量の8割以上を占める最大の輸出先だったが、現在は多くの品目で輸入停止措置が続いている。一方、それでも輸出できる品目もあることから、香港市場にも理解の輪を広げようと同イベント開催に踏み切った。県は2020年度より物産展なども開いてきたが、物産展には会期中何度も会場を訪れる香港人がいたり、喜多方ラーメンや日本酒、温泉を求めて福島を訪問する香港人観光客もおり、香港人には一定の理解があると捉えている。

 今回は、県産農林水産物の安全性確保の取り組みや、食の魅力などを改めて説明する機会を設けた。開催に先立ち、福島県農林水産部有我兼一振興監は「福島自慢の米や日本酒の試食・試飲などを通して、皆さんにとっての福島の今をアップデートしていただくとともに、さまざまな魅力を実感していただき、福島にとって大切なパートナーである香港の皆さんと福島とのきずなを深めるきっかけにしたい」と話した。

 福島は酒処(さけどころ)であることから、県酒造組合も福島の日本酒について解説。県内には、東北地方では最も多い60以上の酒蔵がある。製造量は全国8位だが、「全国新酒鑑評会」の金賞受賞が多く、県別の金賞最多受賞を11回記録している。

 躍進の背景には、酒蔵の蔵人の人材育成を目指す酒造りの学校である「福島県清酒アカデミー事業」が深く関わり、金賞を取るための研究会として「高品質研究会」も設けているという。

 乾杯には、スパークリング日本酒「人気一(いち)瓶内発酵スパークリング純米吟醸」を提供したほか、輸出限定の日本酒製造免許を国内で初めて取得した蔵元「ねっか」による海外市場に向けた日本酒「流觴(りゅうしょう)」も並んだ。

 福島県産米については、全国農業協同組合福島本部米穀部の熊田光宏さんが解説。県産米「天のつぶ」は、「米作りに最も大切な日中の気温が高く、夜間は低めという日較差の大きい気候がおいしい米のもととなり、大粒のしっかりとした食感と粘り気の少ないクリアな味わいになる」と話した。既に香港の飲食店でも採用されている。

 会場では「天のつぶ」をシャリに使ったすしを振る舞ったほか、米本来の味を味わってもらうため、白米に金山寺みそも添えて提供した。金山寺みそは小麦・大豆・ナスで醸した発酵商品で、このみそを使ったみそソースを豚カツにも添えた。福島県の郷土料理「いかにんじん」も用意したほか、卵焼きにも福島の調味料を合わせるなどして福島の食材を振る舞った。

 福島の人気は「桃」にもあるという。物産展などでも販売数が伸びていた「桃ジュース」も用意し、併せて、桃の香りがするポップコーン、桃のコンポートなども紹介した。

 今後も、県は規制が緩和されることを望むとともに、現在販売が可能な品目について引き続き積極的に香港市場に販売網を確保していきたいとする。

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