香港のイオンスタイル2店舗（油塘・太古）で3月10日、「福島観光物産展」が始まった。

赤べこの絵付け体験を楽しむ様子

　初日の10日は油塘店1周年のタイミングでもあったことから、イオンスタイルが入居するショッピングモール「大本型 (Domain) 」のアトリウムでオープニングセレモニーも開催。鏡開きをも行い、100人を超える関係者が参加した。

　香港香港への福島産品は依然として一部に輸入制限があり、青果や海産物をまだ販売することができない。しかしコロナ規制もほぼなくなり、試飲や試食もできるようになったことで、店頭では桃ジュースや喜多方ラーメンを試飲・試食してから購入することができる環境が整い、日本産食品が売れる香港市場で輸出拡大を狙う。

　販売品目は50種類近くに及ぶ。福島県産米の「天のつぶ」（2キロ、69香港ドル）をはじめ、ラスクなどの菓子類、そばやうどんなどの麺類、相馬産のキュウリやナスの漬物（16.9香港ドル）などを販売した。

　菱沼農園の桃ジュース「のむもも」は売れ行きがよく、試飲が販売に結びついていた。「月色プリン」は、会津山塩味、オリジナルピーナツ味の3種類を用意。ただ価格が40香港ドルを超えることもあり、購入を諦める客の姿も見られた。喜多方ラーメンなども試食後に購入を決める客がいたほか、日本酒は、100香港ドル以下の低価格商品でも箱に入っているものや、パッケージやラベルの色が金色のものが比較的多く売れたという。

　11日・12日には、会津の代表的な縁起ものである「起き上がり小法師（こぼし）」や「赤べこ」の絵付けができるイベントも開催。子どもたちも多く参加し、手本通りに色付けする子どももいれば、赤と白の絵具を混ぜてピンクの色を作って色付けする子どももいた。赤べこファンだという香港人は「福島県には行ったことがないが、赤べこが大好きで福島のスポットも全て調べ済み。既にたくさん持っているが、色塗り体験ができたのは初めてで感動した」という大人の姿も。

　併せて、香港内の6店舗で福島食材のプロモーションを開催中。日本の氷を使ったかき氷店「SHARISHARI」では、「天のつぶ」を使って造られた日本酒から作る「酒かすのかき氷」（140香港ドル）を販売。シロップ漬けした福島産の若桃をアクセントとして上にのせる。中環のバー「Tell Camellia」は福島県産100％の桃ジュースを使ったピーチカクテル「Peach　Peachy」（120香港ドル）を提供するほか、中環にオープンしたばかりの居酒屋ダイニング「Yurakucho」ではシグネチャードリンクとして「ピーチハイボール」（110香港ドル）を提供する。

　今月22日まで。