台湾発の文化ブランド「誠品(eslite)」が展開するアニメ・漫画専門店「誠品動漫 eslite Anime」が10月6日、観塘の商業施設「The ANGLE」(L1, Shop 110 & 112, The ANGLE, 98 How Ming Street, Kwun Tong)にオープンした。香港では初展開のアニメ・漫画特化型店舗として開業し、オープニングセレモニーには香港漫画界を代表する作家や関係者が集まり、新たアニメ文化発信拠点の誕生を祝った。
1989年に台北で創業した誠品は、書店を核とした文化発信拠点として知られ、2012年に香港へ進出した。近年は読書文化だけでなく、アートやデザイン、ライフスタイル分野へも事業を広げている。
新店舗のコンセプトは「次元新章・熱血開場」。約2500平方フィートの店内は、金属素材や光のラインを取り入れた近未来的なデザインを採用し、現実世界と2次元の世界が融合するような空間を演出したという。店内には漫画やライトノベル、画集のほか、フィギュアやぬいぐるみ、アクリルスタンドなどのキャラクターグッズを幅広く取りそろえ、アニメやゲーム、コミックに親しむファン層の獲得を目指す。
開幕式には、香港誠品の取締役である何朮楊さんと、新鴻基地産代理の孫雅茵さんが出席。さらに香港漫画界を代表する4人のクリエーターがテープカットに臨んだ。「風雲」「中華英雄」で知られる漫画家の馬栄成さんは、1980年代以降の香港漫画黄金期を代表する作家の一人で、「風雲」は映画やドラマ、ゲームなどさまざまなメディアに展開されアジア各地で人気を集めた。店内には復刻出版された大判カラー漫画「薄装本」も並ぶ。
香港独立系漫画界の先駆者として知られる利志達さんは実験的な作風で国際的にも評価が高く、「香港独立漫画の父」と呼ばれる存在。業界団体での活動を通じて香港漫画文化の普及に尽力してきた香港動漫画連会副会長を務める温紹倫さん、若手人気漫画家・イラストレーターのPen Soさん。世代を超えた香港漫画界の代表的なクリエーターが一堂に会する異例の顔ぶれとなった。Pen Soさんは「回憶見」「達利書店」「Guiding Light」などの作品で知られ、作品は日本やドイツ、フランス、韓国など海外でも展示されている。
新店舗では、香港オリジナル作品を積極的に紹介する。店内には香港動漫作家支援プロジェクト「港漫動力」専用コーナーを設けた。正面入り口には、同プロジェクトの代表作の一つである「八重知行」の特設展示も行い、作品世界を立体的に再現した展示空間を設けた。香港オリジナル漫画の魅力を国内外の来店客に発信する狙いがある。同作品は平安時代風の架空世界を舞台にした武士漫画で、香港人の作品でありながらも日本の影響も色濃く出ている。
日本や韓国の人気作品も充実させた。ライトノベルや漫画コーナーには、「HUNTER×HUNTER」「ハイキュー!!」「鬼滅の刃」など日本の人気作品をそろえるほか、韓国発のウェブ小説「全知的な読者の視点から」や「俺だけレベルアップな件」なども取り扱う。
グッズ売り場では、ポケットモンスター関連商品をはじめ、話題のIPグッズやブラインドボックス商品、ぬいぐるみなどを販売。近年香港でも市場が拡大しているコレクター需要への対応を図る。
開業を記念し、10月31日までキャンペーンも展開。購入金額に応じてオリジナルしおりや限定クリアカードを進呈するほか、アニメグッズを飾る「痛バッグ」を持参した来店客には割引サービスも提供。さらに再来店客向けの優待制度や新規会員向け特典なども用意する。
The ANGLEとの共同企画として2つの大型キャンペーンも展開する。一つは、期間中に最も多く買い物をした会員を対象に、台北往復航空券と誠品行旅の宿泊券をセットにした旅行パッケージを贈る。もう一つは「Pokemon(ポケモン)30周年記念カード」をテーマにしたイベントで、オンライン投票や店頭キャンペーンを通じて記念カードを配布する。
今回の専門店開業について同社は、香港で拡大するアニメ・漫画ファンの需要に応えるとともに、香港オリジナル作品と海外作品が交流する新たな文化プラットフォームとして育てていきたい考えを示している。
営業時間は11時30分~20時。