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香港と深セン結ぶ「新皇崗口岸」供用開始へ 新ゲート導入、5分で通過も

12日に運用を開始したイミグレーション施設「新皇崗口岸(New Huanggang Port)」

12日に運用を開始したイミグレーション施設「新皇崗口岸(New Huanggang Port)」

 香港と中国本土深センを結ぶ主要な陸路イミグレーション施設「新皇崗口岸(New Huanggang Port)」の供用が10月12日に始まった。今回の新施設開設により、出入境手続きには香港側か中国本土側のどちらかで場所で一括して行う「一地両検」による「合作査驗、一次放行」方式が導入され、利用者は香港身分証や回郷証などを一括で認証することで、より迅速な通関が可能となる。

「一地両検」による自動化ゲート

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 「皇崗口岸」は、羅湖口岸と文錦渡口岸の混雑を緩和するために1980年代末期に建設・開設され、長年にわたり両都市間の物流と人流を支えてきた。2003年には深センと香港を結ぶ口岸として初めて24時間運用を開始。終日運行する越境バス「皇巴士」や各種越境リムジンバスが発着し、夜間や早朝に国境を越えるビジネス客や旅行者にとって欠かせないルートとして重宝されてきた。従来の最大の特徴は、香港側の「落馬洲管制站」と深セン側の「皇崗口岸」の施設が地理的に離れていた点である。

 車やリムジンバスなどで移動するイミグレーションが「皇崗口岸」であり、MTR落馬洲駅に直結する「福田口岸」とは異なる。「皇崗口岸」ではこれまで、香港側で香港の出入境手続きを行い、皇巴士や専用リムジンで深セン河を渡った後、深セン側で中国本土の出入境手続きを行っていた。建設から数十年が経過し、建物の老朽化や利便性向上を目的として、施設を深セン側に集約する「新皇崗口岸」への再開発計画が始動した。

 新皇崗口岸は深セン市福田区の南端、香港・落馬洲と深セン河を挟んで隣接している。総敷地面積8.7万平方メートル、延べ床面積は69万平方メートルを有する。ネット通信は深センの通信事業者が提供し、ビル内では無料Wi-Fiが利用できる。最大の特徴は、施設が完全に深セン側に集約され、新ビル内で双方の手続きを一括して行う点。134の自動通関ゲートと68の有人カウンター、26の車輛用検査場を備え、従来通り24時間運用を維持する。 処理能力は1日辺り約20万人で、香港北部再開発エリアを結ぶMTR北環線支線の全面開通に伴い、1日辺り約30万人にまで跳ね上がる試算だ。

 香港側の陸上交通ターミナルは2階にあり、香港から深センへの移動は5階、深センから香港へは4階で通関手続きを行う。自家用車については1階が香港から深セン、3階が深センから香港に対応。通関手続きには「一地両檢」の下、「合作査驗、一次放行」方式を導入した。事前登録を受けた香港住民などは、身分証や回郷証(港澳居民来往内地通行証)などを利用し、同じゲートで両政府による共同検査を受ける。一度の手続きで効率的に通関できるようになり、これまで約30分かかっていた通関時間が最短5分へと大幅に短縮される見込み。従来の身分証明書を提示する「e道」のほか、顔認証等により提示を省くシステムも自由に選択できる。

 公共交通の面でも利便性が大幅に改善された。地下では深セン地下鉄7号線が直結するほか、香港側で建設が進む「北環線支線」の皇崗口岸駅が深セン側へ延伸し、2034年に直結する計画となっている。香港各地からの路線バス7路線、緑色のミニバス6路線、深センから5路線の路線バス、越境バス5路線とタクシーが、直接新ビルのバスターミナルへ乗り入れる構造となった。

 新ビルの運用開始に伴い、従来の旧ビルは全て使用を停止し、解体する。旧落馬洲管制站の土地も順次再開発され、2025年12月に開業した落馬洲河套地区に位置する「港深創新及科技園」の拡張スペースとして活用される予定だ。従来の「皇巴士」は廃止した。一方、越境リムジンバスや直行バスの運行は継続する。施設内には自家用車向けの一般パーキングエリアは設けていない。