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香港・吉澳で10年に1度の祭り開催 270年受け継がれる客家文化と漁村文化

10年に一度の祭が開催された吉澳©Countryside Conservation HK

10年に一度の祭が開催された吉澳©Countryside Conservation HK

 香港の吉澳島で10年に1度開催される祭「吉澳安龍太平清●」が10月11日~15日の5日間にわたって盛大に執り行われた。

水がきれいなことで知られる吉澳島

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 同祭りは道教に由来する伝統祭礼で、神々への感謝と地域の浄化を行い、風雨順調、豊漁、商売繁盛、住民の安全を祈願するもの。特に吉澳の祭礼は「安龍」の名の通り、島に宿るとされる龍脈(風水上の地気)を鎮め、その力を守ることを重要な目的としている。約270年にわたり受け継がれてきた客家文化と漁村文化の象徴的な行事で、10年に1度の大●、5年に1度の小●が執り行われる。祭礼期間中には道教儀式のほか、龍・獅子・麒麟による巡遊、神功戲(広東オペラ)、盆菜の提供などが行われ、世界各地に住む出身者も帰郷して故郷との絆を深めた。

 吉澳とは香港東北部の制限エリア沙頭角に属し、陸から離れた小さな島。面積は約2.35平方キロで、その地形が天然の避難港となり、漁業が盛んな歴史を歩んできた。全盛期には6000人にも及ぶ島民が住んでいたが、今は約50人が残っているのみ。沙田・馬料水と大水坑から定期便の船が出ており、沙頭角からの船に乗るには制限区域に入る「禁区紙」と呼ばれる通行証を事前に申請する必要がある。

 三方を海に囲まれ、島内の遊歩道からは印洲塘(Double Haven)の穏やかな海や周辺の島々を望むことができる。透き通った海と複雑な海岸線が織りなす景観は、香港でも有数の自然美を誇り、島内には「吉澳故事館(ストーリーハウス)」や「吉澳文化径」が整備され、歴史や文化を学びながら散策する人も。香港ユネスコ世界ジオパークの一部としても知られ、独特な地質景観を楽しむことができる。

 2011年に「新界東北沈積岩園區」として世界地質公園に認定され、その後は観光客に地質を紹介する「地質教育中心」、客家人と漁民の歴史と文化を残す「吉澳故事館」、3.5キロの「吉澳文化徑」が設立された。

 島内には「姻縁樹」と呼ばれる大木があり、良縁や夫婦円満を願う人々が訪れるパワースポットとして知られている。かつては島民たちがこの木の下で交流を深め、多くの縁談が生まれたことからその名が付いたと伝えられている。

 島の天后宮内の銅鐘の碑文の記載によると、漁民を守る「天后」 を祭る天后宮は乾隆年間の1763年に建てられたと推定され、その後に光緒年間に修復された。現在は三級歴史建築となっており、毎年の旧暦3月23日に天后の生誕祭が執り行われている。

 「太平清●」は、神々への感謝や地域社会の浄化、無病息災・五穀豊穣を祈願する道教の伝統儀式であり、香港の客家や漁村集落に深く根付く祭り。吉澳島で行われた「吉澳安龍太平清●」は、清の時代の強制移住政策が解除した後に南下した客家人たちが吉澳島に定住した。人々は島には「龍脈」が宿っていると信じる。それを静め、平安と安居を祈って始めたとされ、5年に1回小さく、10年に1回大きく執り行われる。

 期間中、村人たちは天后宮を訪れ、神を祭った。神像は村落を巡行し、陸上の龍舟や魚灯舞なども行われた。全島の食は精進料理に限られ、伝統的に漁も一時停止。人々は一時的に神を敬うことで、人間と自然を再びバランスを戻すことを目指す。10年に1度の祭りのために、移住した吉澳の村民も帰省する人の姿もあった。

 今年はいくつか民間非営利組織が協賛し、ツアーや座談会などのイベントを行った。政府の地方・農村地域保全助成計画を受けた、香港中文大学ホテル・観光管理学院主導のプロジェクト「MeGoOut」は本番当日の13日に「客家打●素食文化分享論壇」で、座談会と無料精進料理の食事会なども企画した。

 その他、島を巡るツアー、ビーチクリーン、音楽イベント、アート展示、広東オペラ、麒麟舞、ダンス、ワークショップなど、島の豊かな自然景観や歴史的遺産、文化保護と地域振興に注目するイベントが組み込まれた。

  ●=酉へんに焦。