香港を拠点とする格安航空会社(LCC)「香港エクスプレス」が10月2日、香港の老舗茶樓「蓮香樓」とのコラボレーションによる新機内食メニューを発表した。同メニューを含む新メニューは10月25日以降のフライトで提供を開始する予定だ。
香港エクスプレスはLCCでありながら、香港が大切にする食文化やサービスの面で独自性を打ち出す。これまでも香港の老舗レストランや人気ブランドとのコラボレーションを積極的に展開してきた。公式サイトでも事前予約が可能で、最大28%の割引が受けられる仕組みがあり、追加事前注文をする搭乗客も多い。
そのため、現在の定番メニューには、香港の大衆食堂である茶餐廳ブランド「翠華(チョイワー)餐廳」との連携があり、同店の看板メニューである柔らかく煮込んだ牛バラ肉に、ココナツの香りが広がる濃厚なカレーソースを合わせた「皇牌●●牛●飯」や、豚軟骨を、うまみと甘みを調和した特製ダレでじっくり煮込み、柔らかくとろける食感に仕上げた「極致豬軟骨飯」をメニューに取り入れている。
ほかにも、香港を中心に展開する上海点心チェーン「堅信號」からは、卵チャーハンに、豚ひき肉がベースの大きくてふわふわの煮込みミートボールを添えた「紅燒獅子頭炒飯」や、焼き目がありカリっとした食感、スープとジューシーな肉汁を閉じ込めた一口サイズの焼き小籠包も提供してきた。
香港のストリートスナックも搭載し、香港式エッグワッフル「鶏蛋仔(ガイダンジャイ)」に加え、カレーフィッシュボールや魚肉シューマイに香港式の紙パックのレモンティーをセットするほか、カルボナーラなどのパスタ、チーズケーキまでそろえる。
今回の目玉となる「蓮香樓」は、1927年に中環で創業し、90年代に威靈頓街へ移転。香港の近代史とともに歩んできた存在だが、お家騒動などさまざまな問題もあり、中環本店は閉店。最近では、新たな展開に舵を切り、直近2年で九龍半島では尖沙咀と旺角、香港島は上環に店舗を移転し、さらに香港国際空港に新店舗を開くなど、次々と開業を続けている。
尖沙咀店と空港店は24時間営業を導入し、深夜や早朝にも「一●兩件、水滾茶●(1つの茶わんに2つの点心、湯は沸き立ち茶はおいしい)」の飲茶美学を提供している。懐かさ残る手押しの点心ワゴンや点心職人による手作りの点心、古き良き茶樓の装飾を再現しつつ、観光客や若い世代にも親しみやすい空間を演出している。街なかでは、香港人の夜食のひとときである「宵夜需要」に応え、空港店は旅行者に「香港の味」を出発前後に楽しませる場として展開しているという。
今回の機内食コラボでは、牛肉シューマイ、カニの卵入りポークシューマイ、蓮葉ちまき、大根餅といった定番を集めた「点心盛り合わせ」を用意した。香港エクスプレスでは、「本物の茶樓文化を機内に持ち込むことで、香港らしさを旅の一部にしたい」としている。
「沙●王(Satay King)」とのコラボも続く。昨年はコラボによるスパイシーカップ麺がヒットし、累計12万食以上を販売。今年は第2弾として「白カレーヌードル」を販売することが決まった。香港スタイルの魚蛋河粉(フィッシュボール平麺)も新メニューに加え、地元の味を幅広く取りそろえた。
香港エクスプレスは機内サービスの革新にも積極的で、7月には「Cabin Connect」を導入。乗客がスマートフォンを機内ネットワークに接続するだけで、食事や免税品の注文、座席アップグレード、フライト進行状況の確認が可能になり、機内食もより気軽に注文でき、自由で効率的な機内体験を提供する。
路線網の拡充も続けており、7月には中国本土で6都市目の就航地となる香港-無錫線を新規開設した。キャセイ(Cathay)グループの一員として、キャセイとのコードシェアを通じてアジア各地への接続性を高めている。12月には、中国安徽省の省都点合肥(Hefei)への就航も発表。安全面でも「世界で最も安全なLCC」として2年連続で評価され、2026年には「世界最高のLCC」に選ばれるなど、国際的な評価も高い。利用者数は累計4000万人を超え、香港を拠点に躍進を続けている。
●●=口へんに加、口へんにたれに里、●=月へんに南、●=中かんむりに皿、●=青へんに見、●=口へんに父かんむりに多。