香港地上波ViuTVは3月13日から3週にわたり、東北の食材をテーマにしたテレビ番組「日本大放送 圍爐思郷・東北為食大作戦」を放送する。番組は3回の特別番組として、「日本大放送」としての放送が決まった。同番組は16年間、全640エピソードを日本で撮影してきたものの、コロナ禍で番組スタッフたちの渡航もかなわず、約2年ぶりの放送となる。
撮影は在香港日本国総領事館全面協力の下で行われ、香港在住日本人タレントとして活躍し、「日本国籍の香港人」と呼ばれるRieさんとコミカルで軽快な動きで場を盛り上げるJamさんが中心となり、日本を旅行することができない今、香港で東北の食材を見つける旅に出る設定で番組は進行していく。
福島の酒かすをかき氷に使う「氷屋 SHARI SHARIKAKIGORI HOUSE」、福島出身のオーナーが手掛ける「健康食品拉麺」では、最近店の隣に出店した弁当販売をメインに展開する「一久」でも福島の「天のつぶ」を使った弁当を展開していることや、日本酒の話を聞いた。東北の米、青森の卵も使った弁当を提供する弁当ブランド「和便當」ではRieさんとJamさんがソースカツ弁当作りに挑戦。
撮影のメインロケ地には、総領事(大使)公邸が選ばれた。ビクトリアピークの一般の観光客が訪れるエリアのまだその先の標高約500メートルに位置する総領事公邸「耕雲草廬」は、1900年建造の洋館を1970年代に日本政府が購入した英国式の建造物。現地企業や役人、他の国の総領事など、さまざまなゲストを招いて会食やパーティーの料理を担当するのが公邸料理人だが、今回は公邸料理人の中島雄三さんが出演者に手本を作るなどして、「芋煮」などのお題で対決する。
ゲストにはオリンピック選手で準決勝に進んだバトミントン混合ダブルスの謝影雪選手と香港在住の日本人タレント和泉素行(SOKO)さんも登場。謝選手は、バトミントンの技を感じる鍋裁きで勝負していくストーリー。番組と並行して、番組内で紹介したメニューも放送後16日から数量限定でSOGO地下2階の催事コーナーで販売を予定している。
東日本大震災から11年を迎えたが、同番組制作の背景には昨年4月以降、香港では ALPS 処理水の海洋放出のニュースが継続して取り上げられることもあり、「とにかくおいしい福島や東北食材」にフォーカスを当てることで、福島や東北、そして北関東地域へのネガティブなイメージを払拭(ふっしょく)しようとする狙いもある。香港は 2020 年まで 16 年連続で日本からの農林水産物・食品の輸出先として1位を占めてきた。重要な市場である香港への輸出が滞ることになれば、日本からの農林水産物・食品輸出全体に与える影響も大きい。
放送はViuTV99チャンネルで3月13日・20日・27日の11時30分~12時。