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福島の米を使った「天のつぶビール」、香港で発売へ チューヤンさんがデザイン

在香港日本国総領事館の岡田健一総領事(大使)、チューヤンさんも出席してビール完成を祝った

在香港日本国総領事館の岡田健一総領事(大使)、チューヤンさんも出席してビール完成を祝った

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 福島県は1月20日、觀塘の醸造所で、2月に香港で予定する福島物産展の記者会見を行い、初めて香港で販売する福島県産米「天のつぶ」を使った「天のつぶBEER」を発表した。このビールの醸造は2014年に香港で創業したクラフトビールを専門に製造する「門神酒造」が手掛け、販売は全農香港が担当する。初回の出荷は3000本。

「天のつぶ」の名前をそのまま使ったクラフトビール

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 香港では現在、福島県産品は生鮮品を除いて輸入が可能で、福島米産米は年間約3トンを輸入している。風評被害がゼロには至っていないなか、福島県は香港でのフェア開催に合わせて、香港でビールを醸造することで香港に寄り添う企画を打ち出した。新商品であることから、ビールのネーミングからラベルまで香港オリジナルで生み出した。

 香港ではここ数年、香港の原材料なども使うクラフトビールもはやっており、醸造メーカーは25カ所にまで増えている。日本各地のクラフトビールが販売されているが、香港醸造で日本原料を使ったクラフトビールは珍しい。

 ラベルデザインは、日本のバラエティー番組「進ぬ!電波少年」で朋友(パンヤオ)としてブレーク後、番組の司会やドラマ、バラエティー番組、舞台などで活躍してきたチューヤンさんが担当した。チューヤンさんは現在、香港のラジオや広告代理店のクリエーティブディレクター、制作プロダクションの顧問などを務める。同企画への参加については、「親友のなすびが福島で頑張っているため、次は福島で会おうな、という話をしていた」と背景を話す。ラベルは黄色の背景に黒の文字をイラストで描き、文字の中に「FUKUSHIMA」「JAPAN」「Hong Kong」「米」「福」などの文字をちりばめている。ボトルを横にすると「天」の文字部分が「HK」、つまり香港を表した文字に見える仕掛けも。3日間かけ、福島の情景を思い浮かべたり、香港の人が楽しむ様子を想像したりしながら描いたという。

 会見に出席した在香港日本国総領事館の岡田健一総領事(大使)は「福島県産農産物については、過去 10 年にわたり風評被害に苦しめられきたものの、例えば、昨年 5 月にシンガポール、同 9 月に米国も放射性物質に関わる日本産食品の輸入規制を全て撤廃したと発表するなど、着実に世界で受けいれられつつある。 福島県産農産物やその加工品は、厳格な検査の下、安全なものだけが出荷されているので、ぜひ味わってほしい」とあいさつした。

 同商品は2月7日から約1カ月にわたり、「DONDON DONKI」2店舗で開催予定の福島フェア「福島物産祭 in 香港 職人驕傲用心之作(ふくしまプライド。フェアin香港)」の目玉商品の一つとして販売を予定し、併せて「香港内の飲食店でも楽しんでもらえるようにアプローチをかける」という。ほかにも、「天のつぶ」を使った日本酒や桃ジュース、米粉から作られたそばや加工品などを販売するほか、香港内の飲食店6店舗で、「天のつぶ」の日本酒から出た酒かすを使ったかき氷や、「天のつぶ」を使った米のアイス、福島牛を使ったメニューや弁当の販売も予定している。

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