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香港の屯門で路面電車が観光路線開設 週末・休日限定運行、桜の名所も

香港で屯門観光の路線の運行をはじめたライトレール

香港で屯門観光の路線の運行をはじめたライトレール

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 香港MTRが2月22日、初のライトレール観光路線「屯門發現號(Tuen Mun Voyager)」の運行を始めた。これは通常の路線の中から観光スポットとなる駅を選び停車駅を限定するもので、観光ルートは屯門の西側エリアを環状に運行し、12駅のみ停車する。 週末と祝日の10時15分~18時45分、1両編成で1日6本運行する。

50香港ドルの乗車券にはMTR関連の割引券などもセットに

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 ライトレールは香港の新界の西側、主に元朗から屯門に細かく線路が張り巡らされている路面電車で、新界市民の重要な足となっている。ルートも多く停車時間が短いことでも知られるが、柔軟性もあり、観光路線の試みにつながった。起点は市中心で、終点は屯門など列車によって変わる。ライトレールの駅はホームの数が多い駅もあるが、今回の路線開設により、6年間使われていなかった市中心駅の2番ホームが再び使われることになるなど、注目を集める。

 兆康駅を出発し、麒麟駅、山景(南)駅、龍門駅、蝴蝶駅、美樂駅、屯門碼頭駅、屯門泳池駅、三聖駅、市中心駅、屯門駅、蔡意橋駅が停留駅となる。今回の観光路線導入に当たり、車体も内装も新たに都会と田園風景が融合した屯門独特の風景を表現した。

 3月に入り香港でも、数カ所で桜が咲き始めたが、停車駅の中には兆康駅から徒歩圏内の嶺南大学校屋外運動場近くには「香港版河津桜」が見られる場所があったり、通称「紅橋」と呼ばれる赤い窓が数十メートルにわたって続く歩道橋「紅色行人天橋」は蔡意橋駅から行くことができたりする。屯門の夕陽鑑賞スポットであるバタフライビーチ(蝴蝶灣泳灘)も美樂駅から行くことができ、ここには80台のグリルを備えた公営のバーベキュー場もある。

 11時42分に出発する電車は三聖駅止まりとなり、ここで約2時間半の時間を設けることで、次の14時52分発の出発までゆっくりと食事なども楽しめるように設定している。駅から3分のところに三聖墟海鮮市場があり、日本人には鯉魚門(Lei Yue Mun)などの方が海鮮市場として知られているが、この三聖市場は小さな漁村から発展した市場で、ロブスター、エビやハタなど地元で取れる海鮮をリーズナブルな価格で提供する。海鮮を選んでその場で調理してもらうことができる。

 ほかにも路線内の麒麟駅には、「客家菜館」と呼ばれる家族経営の屋台で、昔ながらの客家料理や炒め物の専門店があるほか、蔡意橋駅には「井財街」と呼ぶデザート店や人気の雲南米麺の店が並んでいる。龍門駅には「龍門居美食宵夜街」があり、夜遅くまで営業するフードストリートが並ぶなど、地元のグルメを楽しむことができる場所もある。

 MTR社の楊美珍常務總監は「この革新的なルートを開設することで、地元の観光を促進し、地域社会のつながりを育みたい。 ライトレールシステムの長所と柔軟性を活用し、さまざまな人に屯門のユニークな魅力や隠れた名所を発見してもらい、香港の地域の歴史と文化についてより深い理解を得てもらえれば」と話す。

 乗車券は50香港ドル(電子決済のみ)で、同乗車券はこの観光路線以外のライトレールにも1日乗り放題となる。

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