
昨年香港に登場したバインミーのテイクアウト店「Banh Mi Nem」の2店舗目( G/F, 3 Chiu Long Street, Central, Hong Kong TEL 9899 1247)が2月18日、中環にオープンした。
ベトナムの国民食として知られるバインミーはサンドイッチのことで、ベトナムにはバインミーの屋台が至る所にあり、どこでも買える手軽なファストフードとして親しまれている。
同店は昨年のオープン以来、香港人の間で人気となり、ミシュランガイド香港版でも推薦されるなど、数々の賞を受賞した。
創業者の一人、キキ・フン(Kiki Phung)さんはホーチミン生まれ。10年前から香港に住み、もともとはベトナムに関連する情報を発信するインフルエンサーとして活躍してきた。香港のベトナム料理店をほぼ全て制覇した後、「何かが足りないと感じ、香港には本格的なバインミーが必要」と考えたという。フンさんはシェフのハン・ダン(Hanh Dang)さんと一緒に「ベトナム本場のバインミーが食べられる店」の開業を決め、ホーチミンの美食の最新トレンドにも乗り、開業前にホーチミンでバインミー用のパンの焼き方も学んだ。レバーパテやミートフロスなどはベトナムから輸入しているが、今回は中環店用の新しいミニバインミーのために、「そのレシピに磨きをかけた」という。
同店の看板もベトナム語で書いているほか、メニュー名にもベトナム語を並べる。セントラル店は「Grab & Go」をコンセプトにしたほか、テイクアウトを基本としながらも、その場で食べることができるスタンディングスペースも備える。
バンズはカリカリの皮を意識し、パン自体は「柔らかさを大切にした」という。豚バラ肉、鶏肉、チーズ、自家製ピクルスなど、「さまざまな食感の具材に耐えられるように作られたレシピ」とも。店員がバターやパテと具材を載せてオーブンで温め、野菜などを追加していく。
灣仔店でも提供してきた看板メニューのバインミー「Special Cold Cut Sandwich」(82香港ドル)は、ベトナムのコールドカット盛り合わせ、ベトナム式の焼き豚、ポークフロスにレバーパテ、マヨネーズ、ピクルスやキュウリ、パクチー、ネギなどを組み合わせる。「Stewed Pork Belly Sandwich」(82香港ドル)も6時間煮込んだ豚バラに、カリッと揚げた豚の皮の食感を重視する。
金融街というエリア特性上、健康志向の人のためにベジタリアンオプションも用意。中環店オープンに合わせて登場した「Assorted Mushroom Sandwich」(82香港ドル)は、レバーの代わりに濃厚なマッシュルームパテを使う。3種類の旬のキノコを使って香りを重視。肉の代わりに豆腐を煮込んだものもソースに使う。
中環店ではさらに、細長いパンに具材を挟むミニバインミーをドリンク付きで、アフタヌーン・ティーセット(60香港ドル)として提供し、15時~17時30分に提供。
朝食メニューにも力を入れた。平日朝の販売も意識し、ブレックファスト・コンボ(50香港ドル)は月曜~金曜の11時まで、ハーフポーションのバインミーにドリンク1杯を付ける。バインミーはクリスピーフライドエッグとコールドカットバインミー、アボカドとスクランブルエッグのバインミーから選べる。
ベストセラーのベトナムミルクコーヒーはアイスとホットを用意するほか、ドリンクメニューにはオーツミルク(8香港ドル追加)も用意。ほかに、揚げ春巻き、レモングラス風味のチキンウイング、豚ひき肉の串焼きや、バインミーに並ぶベトナムの冷製ビーフンであるブン(Bun)のメニューも充実させるなど、サイドメニューにも力を入れる。
「香港の皆さまに本場ベトナムの味を体験してもらいたい。セントラル店は本場の味を守りながら、新鮮で最高の食材を使った新しいメニューを考案していく」と意気込む。
営業時間は8時30分~19時30分(土曜・日曜は11時30分~)。