
旧暦の端午の節句を祝う香港では5月31日から9日間にわたり、「ドラゴンボート・カーニバル」が開催される。ビクトリア・ハーバーの尖沙咀側、イースト・プロムナードを中心に展開し、最終日となる6月7日・8日のレースを前に、さまざまな関連プログラムを展開。香港初夏の風物詩としてビクトリア・ハーバーがにぎわう。香港政府観光局(HKTB)と香港ドラゴンボート協会(HKCDBA)の共催。
ドラゴンボートは古代中国に由来する世界最古の手こぎ舟のボートレースだが、1976年に開催された日本の長崎チームと競った「香港国際龍舟祭」をきっかけに国際的スポーツへと変化した。
香港政府観光局のエグゼクティブディレクターデーン・チェン(程鼎一)さんは「今年は、香港国際ドラゴンボートレースを昼夜問わず楽しめるドラゴンボート・カーニバルに変身させることで、新たな高みを目指す。このイベントは、観光客や地元の人々に、香港の文化的なアクティビティーと祭りを組み合わせた機会を提供して心に響かせたい。メガイベントツーリズムとしての経済効果の可能性を高めたい」と意気込む。
香港ドラゴンボート協会のアーノルドチョン(鍾志樂)会長は「香港国際ドラゴンボート大会は、長い歴史と伝統を誇る最高水準の国際ドラゴンボート大会。世界中から選手が集まり、ドラゴンボート競技の文化と精神、伝統的な祭りの風習を国際的な舞台に持ち込んでいる。世界のドラゴンボート選手は香港の象徴であるビクトリア・ハーバーで競い合うことができる」と大会の意義を語る。
ハイライトとなる「Sunlife香港国際ドラゴンボートレース」は、世界中12の国と地域から190以上のチーム4500人以上の選手が出場する。マカオ、台湾、日本、タイ、マレーシア、フィリピン、アラブ首長国連邦、カナダのほか、初参加のエジプトとカタールもチームが来港し、精鋭チームで臨む。レースは朝8時に始まり、6日は19時まで、7日は18時まで繰り広げられる。同大会では、香港の若者たちに香港の海を楽しんでもらい、香港の無形文化遺産に親しみをもってもらうため、新たに「セカンダリースクールチャンピオンシップ」というカテゴリーを設けた。
レース開催に先駆け、東尖沙咀を昼夜を問わずさまざまなプログラムを用意。アベニュー・オブ・スターズの「ドラゴンボートフードレーン(龍舟美食街)」では、9日間連続で軽食などを屋台スタイルで提供する。10軒の屋台が登場し、もち米を竹の葉で包んで蒸した伝統的な粽(ちまき)やドラゴンボートの形をした屋台スナック、夏系のドリンクなどドラゴンボートにちなんだ料理を販売。毎日13時~22時にオープンする。
併せて、ドラゴンボートをモチーフにしたフォトスポットも登場。オーシャンパーク香港のパンダをモチーフとしたイラストと写真を撮ったり、ポップアップ・ストアでは、パンダをテーマにしたグッズを販売したりする。
6月7日・8日のレース週末には、同カーニバルは尖沙咀東方面にある噴水や樹木を備えた市政局百周年紀念花園までエリアを広げ、サンミゲル・ブリュワリー香港と提携し、14時から22時まで、特設ビアガーデンが登場する。
観光客に向けて、香港国際空港、尖沙咀スターフェリー乗り場、香港西九龍駅にあるHKTBビジターセンターで、ビール引換券を配布。ビアガーデンで生ビール1杯無料券を手に入れることができる。観光客は1回限り入手できるが、ビール引換券の配布は早い者勝ちとなる。
カーニバルでは、ストリートミュージックパフォーマンスに加え、今年は香港がアジアの開幕となるシルク・ドゥ・ソレイユによるフラッシュモブも13時~18時の間のどこかのタイミングで予定する。