
尖沙咀にある香港歴史博物館で現在、秦と漢の時代に焦点を当てた特別展「天下一統-陝西秦漢文明展(The Great Unity: The Civilization of Qin and Han)」が開催されている。LCSDと陝西省文化遺産管理局が共同で開催し、HKMHと陝西省文化遺産促進センターが共同で主催、香港ジョッキークラブ慈善信託が単独でスポンサーを務める。秦始皇帝陵博物院、漢景帝陽陵博物院、陝西省考古研究院から提供された130点以上の貴重な文物を展示している。
秦始皇帝陵兵馬俑坑出土の最高峰の兵馬俑も香港で初めて公開される
陝西省の貴重な展示品と香港の考古学的発掘品130点以上の展示品のうち半数以上が香港で初めて公開するもので、うち11点が中国の「国家一級文物」に指定されており、そのうち4点は中国本土以外では初となる。
中でも注目は3体の兵馬俑(へいばよう)で、兵馬俑坑(こう)で発見された中で最高位の戦士である「高級軍吏俑」、ひざまずいて楽器を演奏している様子の「●姿俑」、2000年以上前の時代の赤い顔料跡が甲冑(かっちゅう)に一部残り、片膝を立て弓を構える「跪射俑」が含まれる。兵馬俑は透明なガラスショーケースで展示し、あらゆる角度から鑑賞することができるようにした。
もう一つの目玉は、陝西省西安市にある秦の始皇帝陵の青銅戦車と馬の穴から出土した「一號銅車馬」(レプリカ)。本物の約半分の大きさというが、古代の戦車の形と構造を忠実に再現している。加えて、陝西省漢陽陵から出土した漢代の陶製の動物の置物も展示し、当時の畜産の繁栄を伝える。中でも陶製のヤギ、野犬、飼い犬は、中国本土以外では初めての展示となる。秦時代の青銅製の雁(かり)、陶器の鋳型、金の円盤、歩行ポーズの裸の戦士の置物、彩色された騎兵の置物、漢時代の「千秋萬歳」と刻まれた瓦の端なども紹介する。
さらに、秦と漢の時代の香港の発展も描かれ、屯門や、南Y島、現在の空港がある赤●角などから出土した漢時代の「五銖」銅銭や、香港の九龍・深水●地区にある歴史的な遺跡である李鄭屋漢墓(Lei Cheng Uk Han Tomb)から出土した住居の陶器模型など20点以上の香港の考古学的発掘品も並べた。
貴重な文物を展示するほか、兵馬俑の仕立ての秘密を解き明かしたり、秦や漢の時代の漢字や標準単位の寸法を学んだりできるマルチメディア・プログラムも用意。展示ギャラリーの閲覧コーナーには、香港の公共図書館が特別に選んだ、秦・漢の歴史や香港の考古学をテーマにしたコレクションを並べた。1階メインロビーにあるインタラクティブゾーンでは、秦・漢時代の嶺南地方の発展について、展示やアニメーションを通して紹介する。
開館時間は10時~18時(土曜・日曜・祝日は19時まで)。火曜休館(祝日の場合は開館)。入館無料。7月7日まで。
●=足へんに忌、●=魚へんに猟の旧字体のつくり、●=土へんに歩。