
香港最大級のアニメ、漫画、ゲームの祭典「第26回香港動漫電玩節(ACGHK 2025)」が7月25日、湾仔のコンベンション&エキシビションセンターで開幕した。今年は出展者と来場者の増加に合わせてイベント規模を拡大し、展示面積は昨年の約2倍となり、160の出展者と788以上のブースが出展する。会場には多くのアニメファンがコスプレ姿で集結した。
漫画作品の展示、ファン創作作品ブース、声優やアニメソング歌手によるパフォーマンス、Vチューバーのファンミーティング、カードゲームの体験型イベント、コスプレコンテストなど多彩な内容を繰り広げる。
同人(ファン創作作品)部門では、国際オタクイベント協会との共催で新たにスタートした「Hong Kong World Doujin Festival 2025」と、香港現地の「Creative Paradise 2025」を同時開催し、相乗効果を狙う。出展ブース数は前年の約200から600近くに増加し、そのうち80ブースは日本・韓国・欧米・中東など海外からの参加で、香港が世界のファンとクリエーターをつなぐ交流のハブとなる。
期間中、日本を含む15以上の国と地域から「世界トップクラス」の漫画家、デザイナー、声優、歌手などが集まりイベントを盛り上げる。日本動画協会が発表した「アニメ産業レポート2024」によると、2023年の日本のアニメ産業は、海外市場からの売り上げが1兆7,222億円と国内の1兆6,243億円を上回っており、香港でも日本アニメの人気は高い。
日本の声優界からは、「進撃の巨人」のエレン役で知られる梶裕貴さんが来場するほか、「涼宮ハルヒの憂鬱(ゆううつ)」で長門有希役を務めた茅原実里さんも出演した。独特の白塗りコスプレで国内外にファンを持つ財部亮治さんも来場し、パフォーマンスを披露。世界的人気を誇るバーチャルユーチューバーユニット「FUWAMOCO」は7月28日、香港で初となるファンミーティングを開催する。リアルとバーチャルの垣根を越えた特別イベントとして、ファンの注目を集めている。
「Comics Master Gathering Hong Kong 2025」の企画では世界のトップ漫画家が創作の技を披露した。同企画には、欧州から6人、中国本土から6人、香港から2人の計14人のアーティストが参加。ライブドローイング、ワークショップ、アートジャムなどを通じて、国境を越えた創作の現場を観客の目の前で展開する。
毎年恒例のコスプレコンテストは、初めて「ソロ部門」と「デュオ部門」の2本立てで開催。ソロ部門では優勝者に賞金6,000香港ドルを授与するほか、デュオ部門の優勝チームには、名古屋で開催される世界コスプレサミット決勝大会への渡航費付き出場権を与える。
2部構成の導入により、舞台演出を得意とするパフォーマンス型の参加者と、衣装制作や造形に特化したクリエーター型の参加者の両方が活躍できる設計となっている。主催者側は、「この構成の刷新が香港のコスプレ文化を多様かつ国際的な舞台へと押し上げる契機となることを期待している」という。
開催時間は10時~21時(最終日は20時まで、ホール3は毎日11時開館)。チケットは、一般=45香港ドル、子ども=20香港ドルほか。公式アプリで販売する。7月29日まで。