
茘枝角で長年営業を続ける居酒屋「鵜舞(Umai)」(G/F, Shop 2, D2 Place One, 9 Cheung Yee Street, Lai Chi Kok, Kowloon, Hong Kong TEL 2743 8011)が9月8日、徳島県の食材に特化したフェア「徳島美食祭2025」を始めた。
新宿の路地裏居酒屋と日本漁村の素朴な風情を融合した空間をイメージした雰囲気
香港ローカル人に愛される和食店でありながらも、総料理長・楢崎顕策さん、副料理長・松田亞弓さん共に日本人が務め、東京・新宿の路地裏居酒屋と日本漁村の素朴な風情を融合した空間をイメージした雰囲気が香港の食通たちから高い支持を得てきた。約3500平方フィートの広々とした店内は、最大112人まで収容可能。今回は期間限定で徳島の山海の恵みを味わえる特別メニューを提供する。
徳島県と香港の関係は昨年大湾区航空による直行便が就航したものの、平均搭乗率は55%と伸び悩み、7月の地震のうわさがとどめとなり、9月1日から運休している。県内宿泊者数を見ても香港が首位を獲得する数少ない県であり、同県にとっての香港が与える影響は大きい。
直行便が飛んだ背景としては、関西方面からの地の利の良さに加え、徳島県側の積極的なアプローチもあり、徳島は淡路島や小豆島などと組み合わせた「徳島イン・関西アウト」の旅程が組みやすく、香港人の旅行スタイルに合致していた。祖谷渓などの人気も高い。
徳島県は三方を山に囲まれ、一方が太平洋と瀬戸内海に面する自然豊かな地域。清流・吉野川が流れ、肥沃(ひよく)な土壌と澄んだ水が育む農林水産物は、香港でも高い評価を受けてきた。今回のフェアでは、地鶏「阿波尾鶏」、鳴門金時芋、鳴門鯛(だい)など、徳島を代表する食材を使った創作料理を多数そろえた。
徳島県神山町産の香り高いシイタケの天ぷら「特厚神山香●天婦羅」(52香港ドル)や、そのシイタケに北海道のウニを組み合わせた「神山香●北海道海膽壽司」(118香港ドル)は、天ぷらにした肉厚シイタケにウニの甘みが重なる。福岡名物の明太子とチーズ、辛みそを詰めた阿波尾鶏(あわおどり)の手羽先「明太子芝士釀阿波尾鶏翼」も天ぷらにして提供するほか、阿波尾鶏と豚肉・キャベツを包んだギョーザの天ぷら「阿波尾鶏餃子天婦羅」(88香港ドル)も用意した。
スダチの爽やかな香りが広がる半田そうめん「徳島半田酢橘冷素麺」(108香港ドル)は冷菜として登場。肉料理では、阿波尾鶏とトマトのすき焼き風鍋「阿波尾鶏蕃茄壽喜燒鍋」(108香港ドル)や、阿波尾鶏の砂肝をさんしょうと京ネギで炒めた酒肴(しゅこう)「山椒●阿波尾鶏腎」(118香港ドル)を提供する。
スダチを餌に育てたブリをのり巻きにした「徳島酢橘鰤魚海苔巻」(152香港ドル)や、「徳島産鰆の半熟フライ タルタルソース添え」(268香港ドル)のほか、「鳴門鯛の白湯釜飯」(238香港ドル)、兵庫の有馬さんしょうと釜揚げイカナゴをオイル煮にした鉄板焼き「鐵板油浸芝士有馬山椒徳島釜揚丁香魚」(118香港ドル)など魚をベースにしたメニューも多い。
デザートには、鳴門金時芋を黒糖で揚げたスイーツ「黒糖鳴門金時蕃薯條 配忌廉芝士沾醤」(78香港ドル)が登場し、クリームチーズをディップして食べる。
営業時間は、ランチ=12時~14時30分、ディナー=17時~22時30分。徳島メニューの提供は10月24日まで。
●=草かんむりに姑、●=火へんに考。