
香港最大級のBtoC旅行博「香港ホリデー&トラベルエキスポ(HTE)2025秋」が9月26日、香港コンベンション&エキシビションセンター(湾仔)で開幕した。当初は25日からの開催を予定していたが、台風18号(ラガサ)の接近に伴うシグナル8発令の予測を受け、主催のエキシビショングループは安全面を考慮し、開幕を1日延期する措置を取った。
当初予定よりも1時間早い10時に開場し、入場無料となったこともあり、初日26日の朝から多くの来場者が列を作った。会場内では人気航空会社や旅行会社のブースに人だかりができ、各ブースが用意した限定割引商品や抽選企画に注目が集まった。
HTEは2024年に始まり、今回が4回目の開催で、これまでに累計65万人以上が来場している。2月に開かれた前回は、前年比約27%増の約25万3000人を記録し、過去最高を更新。香港の旅行愛好者を集めるイベントとして定着した。
香港ではこれまで別の旅行博も開催されてきたが、同展示会はBtoCに主眼を置き、会場での「直接販売」を意識している点が最大の特徴。香港旅遊業議會との連携の下、香港内の旅行会社の多くが出展し、会場限定商品の販売や限定割引なども実施している。
今回は過去最大規模の300を超えるブースが出展。香港エクスプレスやKKday、マカオ特別行政区政府観光局など、航空会社、旅行代理店、オンラインプラットフォーム、海外の観光局など様々な出展者が参加している。中国本土からは貴州省や深●市龍華区、横琴経済発展局なども初参加し、地域色豊かなラインアップとなった。
会期中は50以上の旅行関連セミナーやステージパフォーマンスが行われるほか、クルーズ旅行券やホテル宿泊券、東京行き往復航空券などが当たる抽選やゲーム企画も用意する。
前回初めて設置された日本関連の出展エリア「ジャパンパビリオン」は今回、さらに出展者が増え、過去最大規模となった。日本政府観光局(JNTO)が初出展するほか、全国の自治体、航空・鉄道会社、旅行代理店、ホテル、商業施設など、日本関連の計24団体が参加している。初日から、各出展者のブースには日本への旅行を検討する来場者などが訪れ、熱心に質問をする様子も見られた。
JNTOブースでは、来場者の投票でこの秋冬に訪れたい日本の旅行先を選ぶ「日本秋冬ホットスポット地図」を設けるほか、会場内で日本旅行商品を一定額購入した来場者へのノベルティー配布、SNSフォローキャンペーンなども展開する。
同展示会の特徴である「直接販売」に積極的に取り組む日本関連の出展者も増えている。前回に続き出展した東武鉄道は、香港の旅行会社と連携し、日光をはじめとする東武沿線エリアの人気観光地を巡る現地発着ツアーなどをブース内で販売する。初出展となる関西の鉄道3社(京阪・近鉄・南海)も現地旅行会社とコラボし、関西エリアの人気交通系割引乗車券3枚をまとめて割安に購入できるセットなど、旅行博限定の乗車券セットを販売する。
メインステージでは、27日に大分県と福岡県、28日にはJR九州、広島県、鳥取県・岡山県、クラブツーリズム、東北観光推進機構のステージイベントの開催も予定。会場内をマスコットが練り歩く「マスコットパレード」には日本から、熊本県の「くまモン」、広島県の「ひろくま」、鹿児島県の「ぐりぶー」が参加する。
開催時間は10時~21時(最終日は20時まで)。入場無料。今月28日まで。
●=土へんに川。