香港政府は11月26日、油麻地(Yau Ma Tei)西部にある西九龍公路(West Kowloon Highway)と觀塘(Kwun Tong)の茶果嶺(Cha Kwo Ling)を結ぶ「中九龍繞道(Central Kowloon Bypass)」の油麻地段(YMT Section)を12月21日に開通すると発表した。これにより、これまで車で約30分かかっていた油麻地と九龍湾(Kowloon Bay)間は約5分と大幅に短縮されるため、大きな経済効果が見込まれている。
現在、香港政府は西九龍公路線と将軍澳―藍田隧道(Tseung Kwan O-Lam Tin Tunnel)を結ぶ全長11.7キロの6號幹線(Route 6)の建設を2017年から進めており、前述の将軍澳-藍田隧道は2022年12月に開通した。
今回、開通する中九龍繞道の油麻地段の総事業費は約420億香港ドル、片側3車線、全長4.7キロでうち3.9キロがトンネルだ。西九龍公路とのインターチェンジである油麻地交匯處(Yau Ma Tei Interchange)を起点・終点に、油麻地、京士柏(King’s Park)、何文田(Ho Man Tin)、馬頭圍(Ma Tau Wai)の地下を通り、啓徳体育館(Kai Tak Sport Park)の南側辺りで地上に出て、啓徳交匯處(Kai Tai Interchange)とを結ぶ。
トンネル工事は、2400回に渡って爆破しながら進めた。道中には、舊油●地警署(Former Yau Ma Tei Police Station)といった歴史的建造物や九龍城客輪碼頭(Kowloon City Ferry Pier)下を通過することもあり、影響をさけるため道路の最深部は地下150メートルに及ぶ。地下鉄とも交差することことから、中九龍繞道の最上部と地下鉄の最下部の最短距離はわずか3メートルという技術的にも難しい工事が多かった。
地上の部分でも、騒音の関係から住宅街では、マンションとは道路の距離は最低3.5メートル離したほか、自然光が取り入れられる形状をした防音壁も合計550メートルにわたって設置している。
この道路を建設した理由は、龍翔道(Lung Cheung Road)、亞皆老街(Argyle Street)、太子道西(Prince Edward Road West)、漆咸道北(Chatham Road North)界限街.(Boundary Street)などといった九龍地区を東西に結ぶ道路はいずれも交通量が多く、交通渋滞が発生することが少なくないため、各道路の負荷を減らすのが狙い。
加えて時間短縮効果も大きく、油麻地と九龍湾の間は、車では従来約30分かかっていたのがわずか5分に短縮される。九龍地区東部とコンテナターミナルを抱える葵涌(Kwai Chung)とを結ぶ時間も短くなることから、経済効果が見込まれる。さらに、黄大仙(Wong Tai Sin)などの道路周辺地区の経済の活性化も期待されている。道路開通に伴い、香港国際空港と將軍澳を結ぶ新しいエアポートバス「A28X」など7路線が新路線として追加された。
現在も建設を進めている「中九龍繞道」の「九龍湾段隧道(Kowloon Bay Section Tunnel)」は、啓徳交匯處と将軍澳―藍田隧道を結ぶ路線で、2026年半ばの開通を予定している。これが実現すれば、西九龍公路線と将軍澳-藍田隧道間は65分から12分に大幅に短縮されると見られている。現在、油麻地段の通行は無料で、全線が開通した後は通行料として8香港ドルを徴収することになっている。
●=草かんむりに麻