福岡県久留米市の久留米観光コンベンション国際交流協会が1月18日、福岡県香港事務所と共同で、香港・湾仔の日本食居酒屋「炭兎」で、同市の食と観光をPRするイベント「久留米の酒ツーリズムと美食イベント」を開催した。香港のメディアやインフルエンサー、旅行や食品関連企業など約50人が参加し、久留米の酒と食文化を体験した。
久留米市は、福岡県内でも特に酒造りが盛んな地域として知られ、市内には14の酒蔵が集積している。イチゴをはじめとする果樹栽培も盛んで、フルーツ狩りも観光資源の一つ。こうした観光資源を海外に発信しようと、同市では近年、香港や台湾、タイ、シンガポールなどの市場向けにプロモーションを強化してきた。その中で、香港市場からの反応が最も大きいという。同協会の行徳一也さんは「観光協会の公式サイトへの海外アクセスも香港からが最も多く、特にイチゴ狩りの人気が高い」と話す。
イベント冒頭では、福岡県香港事務所の山本大祐所長があいさつに立ち、「香港人にとって福岡の食文化は高い人気を誇る。今日のイベントを通じて、お酒やフルーツなど久留米の食の魅力を体験し、実際に訪れるきっかけにしてもらえれば」と呼びかけた。
会場中央のカウンターには、久留米の11の酒蔵やワイナリーから集めた約20種類の日本酒やワイン、焼酎と、3種類のイチゴを並べ、参加者が味わいながら久留米の食文化に触れられる構成とした。併せて、今回紹介する酒蔵や、久留米で体験できるフルーツ狩りについてはスライドで説明し、酒造りの背景や観光素材としての魅力を伝えた。
乾杯酒には、室町時代の文献を基に復刻された低アルコールで、乳酸発酵由来の甘酸っぱい味わいが特徴の若竹屋酒造場「博多練酒」を用意。そのほか、最新の発酵理論や醸造技術を積極的に取り入れる山口酒造場の「庭のうぐいす 純米大吟醸 くろうぶ」や、香港では未流通の福岡県産ブランドイチゴ「あまおう」を丸ごと使った巨峰ワイナリーの「あまおういちごワイン」など、久留米の多様な酒を紹介した。
日本から「鷹正宗 大善寺蔵」の入船大吾さんも参加し、「筑水17」シリーズや「ゆず酒」などを紹介。入船さんは「香港は海外市場の中でも日本酒への理解が深く、裾野も広い。現地パートナーと直接意見交換できる場としても意義がある」と話した。
イチゴは、広く知られる「あまおう」「紅ほっぺ」に加え、白イチゴの「天使のいちご」も用意。白い果皮と赤い種が特徴の同品種は生産量が少なく、参加者の関心を集めた。久留米名物の焼き鳥や福岡県産野菜のバーニャカウダ、明太子など、福岡の食材を生かした炭兎のフードメニューもそろえ、福岡の食文化も併せてアピールした。
参加者からは「香港でまだ流通していない日本酒やワインを知ることができて興味深かった。次に福岡を旅行する際には、久留米もぜひ訪れてみたい」という声も聞かれた。
行徳さんは「香港はFITが多く、SNSや口コミを通じて旅先を選ぶ傾向が強い。フルーツ狩りや酒造イベントなど、久留米の体験型の魅力を現地で直接伝えることで、実際の来訪につなげていきたい」と話す。