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香港・中環にクリエーティブ産業発信の複合施設-商業エリアも併設

新しくクリエーティブの発信基地に生まれ変わったPMQ

新しくクリエーティブの発信基地に生まれ変わったPMQ

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 クリエーティブ産業を特区政府の新興産業として重点を置く香港に4月14日、新施設「PMQ(元創坊)」(No.35 Aberdeen Street, Central, Hong Kong)がプレオープンした。

ファッションアイテムからインテリアの小物まで各部屋個性的なラインナップ

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 同施設はもともと孫文が通っていたことで知られる中央書院校舎跡地に当たり、第二次大戦後の1951年に警察宿舎として建設、使用されていた「Police Married Quarters」を特区政府が2010年、芸術家支援施設として活用することを発表し改装したもの。運営は非営利団体・元創方管理有限公司だが、独立採算を基本とする。若きアーティストのためのアトリエ、サロンほか、香港著名アーティストの店や香港のブランドとデザイナーのコラボショップ、飲食店などを併設して構成する。

 エントランスからつながる広場を中心として左右対称に棟が建ち、グランドフロアから7階までの計8フロアを小さな部屋で構成し、敷地面積は6000平方メートル、延べ床面積は1万8000平方メートルに及ぶという。グランドフロアに設置された部屋番号入りの郵便受けは警察宿舎時代のものをそのまま採用した。

 すでにオープンしたS504-BlockAでナチュラルファイバーを使った服や小物を販売するデビー・リョウ(Debbie Leung)さんは「これまではアプレイチャウの自分のスタジオでハンドメードアイテムを製作し、ダイレクトにホテルをはじめとするお客さんに紹介してきたが、このように同じコンセプトを持つ人が集まる所でショップを出せることはうれしい」と語る。彼女の作品のテーマは「ハンドメード」と「サステナビリティ」。自分で香港の山を散策して集めた草やチャイニーズハーブをはじめ、インドで仕入れたウールなどさまざまな素材を使って作品を作り、一部ショー向けのオートクチュールを除いて、300~3,000香港ドル程度で販売する。

 また、陶器や塗りのおわん、竹細工などの作品を販売する「SOIL」(S307-BlockA)は、ミャンマーから仕入れた薄くそいだ竹に馬の毛を編み込んで作られるカップを紹介したり、植物の蔓(つる)と繊維の職人の作品を組み合わせて新しいバックを作り展示したりなど数多くの職人、デザイナーのアイテムを並べ300~2,000香港ドルで販売。「香港は世界中のマテリアルが集まり、いろいろなアーティスト同士のコラボレーションなどもできるのが面白い」と同店プロジェクトマネジャーのヴィッキー(Vicky Lau)さん。

 ほかにもカラフルなペンキ入りのジャム瓶を整然と並べ、ヨーロッパの雰囲気を醸すペイントアイテムショップやハンドメードレザー商品を扱う店など、クリエーティブな感覚をかき立てる小さな店が並び、各自のアイテムを販売する。賃料はフロアごとに異なり、5階の430スクエアフィートの店舗で1カ月2万香港ドル程度だという。同条件の近隣の店舗と比べると3~5割の価格で借りることが可能だが、申し込みには厳正な審査があり、同施設は全ての部屋を埋めることが目的でなく、コンセプトと合うことに重きを置いているようだ。

 また、同施設にはグッドデザイン賞のショールーム「GOOD DESIGN STORE」をはじめ、「MUJI」など日系企業・団体も出店予定だが、現在までにオープンした店は全体の約3割。5月初旬にソフトオープン、6月中にはグランドオープンを迎える予定。店舗ごとに営業時間は異なる。

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