香港・銅鑼湾のランドマーク「タイムズ・スクエア」で4月30日、スペインの鬼才彫刻家アントニ・ガウディ(1852-1926)を紹介する企画展「ガウディ建築展」が始まった。カタルーニャ美術館、サグラダ・ファミリア、タイムズスクエアの共催。
誰もが知る「サグラダ・ファミリア」だけでなく、煙突や住宅までもをデザインしたガウディの世界観を紹介しようとタイムズスクエアの共有スペースを広く使って公開している。
入り口のオープンスペースには「Gaudi’s Garden of Chimneys」と名付けられた公園が作られ、4兄弟の顔の表情が見えるともいわれる「カサミラ(CASA MILA)」の煙突をはじめ、さまざまなガウディの煙突作品群の中から約10点をデイスプレーするほか、バルセロナのシンボルの一つにもなっているグエル公園のトカゲも再現し憩いの場を演出する。
2階のアトりウムには同施設の天井までの吹き抜けを利用し高さ約10メートルに及ぶ紙製のサグラダ・ファミリアを空間に吊るしている。同大型模型はスウェーデン生まれの紙素材でできた軽くて強いボード資材を使い、ドルフィン・ガイ(Dolphin Ngai)さんを中心に地元デザインオフィスのスタッフらを招き、半年の制作期間を経て完成した。
会場中央部にはサグラダファミリアの構造を説明するため、ガウディが用いたとされる網状の糸に重りを付け、その網の描く形態を上下反転させる逆さづり模型を置く力学的な設計手法を、鏡を使って紹介する。
またカタルーニャ美術館所蔵のガウディの作品14点が展示され、カサミラ内の六角形のフロアタイルや、集合住宅「カサカルベ(CASA CALVET)」の椅子で、ガウディの特徴の一つでもある流線型のフォルムと機能性を兼ね備えた椅子やハート型の背もたれを特徴とした椅子4点も展示するほか、ドアノブ3点なども展示している。
併せて、ガウディの写真やビデオなどの貴重な資料も公開。ガウディの没後100年に当たる2026年に完成予定とされるサグラダ・ファミリアの変遷をたどる年表や完成予想の映像も公開している。
開催時間は8時~22時(施設内展示は10時~)。6月1日まで。