中国最大のネットショッピンググループ「淘宝網(タオバオ)」が8月21日、香港・台湾・オーストラリアの顧客に向けて、コンビニや郵便局での直接引き取りサービスを始めた。
従来の宅配サービスでは、引き取り人の時間帯や配達場所の価格に問題が生ずる事が多く、それらを解消するために海外での自宅外引き取りサービスに着手。香港では、郵便局、順豊エクスプレス、セブン-イレブンの3社と提携し、200カ所余りの場所で荷物引き取りが可能になる。
「淘宝網」の購入者は、購入時に海外配送の宅配か引き取りかを選択することができ、専用決済システムか専用アプリで支払いを済ませる。荷物の到着日の連絡はないため、支払い確定後は、通常2~4日程度で到着し、ネット上で「配送中」や「配達済み」など荷物状況追跡を確認できるようにした。料金設定は、宅配に比べて引き取りのほうが低価格で、宅配時間を選ぶ必要がないことや、郊外への配達超過料金などの問題を解消できると好評を得ている。中国側に個人情報を伝えたくないという香港人も多いことから、利用しやすくなったという声も。
提携3社共に、引き取り期間は3日間。4日目より郵便局、順豊エクスプレスは保管料として1日当たり10香港ドルを加算する。郵便局では最長3カ月の保管期間で、セブン-イレブンは4日目に購入者に連絡し、引き続き引き取りを希望か宅配に切り替えるかを確認後手配可能。重さによって料金が異なるため、電話連絡の際に料金を確かめる必要がある。
支払い完了後に引き取りとなるため、誤認引き渡しなどの問題も懸念されているが、同社では「サービスの大きな一歩」と位置付けている。同社は「引き取り時には、誤認引き渡しを防ぐために、写真付きの証明書などを用意すること」や、「いつ引き取り場所に到着するかなどをこまめに自身で確認すること」を薦めている。