豊作と満月を祝う9月8日の中秋節に向けて香港各地でイベントが繰り広げられる中、9月5日メーン会場の一つとなるビクトリアパークでも「ミッドオータム・ランタンカーニバル 2014」が始まった。主催は香港康楽及文化事務署(LCSD)。
昨年と比べると会場内のランタンのディスプレーは少なめで、大型ランタンの数も少ないものの、魚や動物をはじめ飛行機やゲーム機まで各種のランタンを楽しむことができる。今回のメーンは香港文化博物館が地元で100年以上も伝承されてきた伝統的技術を持つ職人を招き、会場に設置した高さ7.5メートルに及ぶ多層構造の回転式ランタン。展示は全て職人の手作りによるもので、八角形五層の塔は中国清(しん)朝の宮廷生活をモチーフにしている。
同会場ではほかにも、恐竜やパンダのランタンは台湾ランタン協会の職人によって手掛けられたもののほか、子ども向けのコーナーなどを展開。屋台も出るほか、北京芸術表演団による民族舞踊や雑技、伝統工芸品のワークショップなども開く。
クライマックスは、同会場近くで繰り広げられる100年以上の歴史を持つ「大抗(タイハン)ファイヤードラゴン・ダンス」。7日から3日間開催され、19時30分から3時間程度のパフォーマンスだ。1880年代、現在の大抗にあった村で疫病が流行した際に人々が線香を立てた草で作った龍(りゅう)を掲げ爆竹を鳴らしながら村中をパレード。その後、疫病の流行が無くなったという逸話を発端とし、全長67メートル、頭の重さは48キロで、胴体は32の部分に分かれたファイヤードラゴンが会場近辺の大抗エリアを駆け巡る。37万2000本の線香を使って行われる迫力のあるパフォーマンス。8日22時30分ごろ、「大抗ファイヤード ラゴン・ダンス」はビクトリアパークの会場にも登場する。
中秋節の同イベントは同園のほか、●湾、大埔海浜公園でも開催。尖沙咀文化中心でも「ザ・ワールド・イン・カラーズ」と題し、10月5日までランタンを展示している。
ランタン鑑賞は連日18時30分~23時(8日のみ~24時)。同会場でのランタン展示は14日まで。入場無料。
●=草かんむりに全。