香港地下鉄MTR社が、今年中の開業を決めて工事を進めていたウエストレイルライン線(西港島綫)を12月末に開通することを発表した。開通日は12月に発表するとしている。
MTR延伸プロジェクトは中環(セントラル)の隣駅上環(ションワン)から先の3駅を建設するもので、上環より先が西営盤(サイインプン)駅、香港大学駅、堅尼地城(ケネディタウン)駅の約3キロメートルをつなぐ。所要時間は上環から堅尼地城を8分間で結び、堅尼地城から銅鑼湾が13分、堅尼地城から尖沙咀が14分となる。主要3駅をつなぐ704工区は地場大手のギャモン社と西松建設が担当した。沿線住民がMTR駅構内を地下道としても通行できることが視野に入れられたため、ビル群の地下に道を通す設計となっている。
上環駅の隣となる西営盤駅は開業には間に合わず、当面通過する見込みで、同駅は2015年3月末の開業を目指す。西営盤は3駅の中でも最も改札口の南北高低差がある駅となり、北は徳輔道西(デーボーロードウエスト)、南は香港大学東門をさらに東に進んだ般咸道(ボンハムロード)に出口(C出口)ができ、合計6つの出口を予定する。同出口は急こう配でエスカレーターを設置できず、工事中の5基のエレベーターが並ぶとみられ、引き続き工事を続ける。
現状の終点駅となる堅尼地城A出口付近(スミスフィールド)にはミニバスのバスターミナルができ、太陽光を取り込めるようなガラス張りの広場も完成間近だ。同駅にはこのほか2出口の計3出口ができる。また、ビルの間に空いたエリアがある場所では、大手デベロッパーによる新しいレジデンスビルなどの建設工事も進んでいる。
両駅の真ん中に位置する香港大学駅には6つの出口ができる。香港大学駅は大学の校舎壁面の色調を生かし、自然に景色になじむようにした。大学構内直通のエレベーターも開設されたが、同駅には最も深いとされる全長70メートルに及ぶエレベーターが開設予定であるものの、開業時にはスタートできない見込み。
MTR社は一般からの問い合わせに対し、インフォメーションセンターを設置して対応してきたという。計画当初は、フォーブスストリートにある樹木の根が絡み付いた石壁を取り壊す予定だったが、住民の声を聞き、計画を変更して新しいデザインになった。
現在は各種最終テストを実施中。