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香港理工大生に人気のハンバーガー店 売り上げ1日1000個の秘訣とは

40年以上も紅ハムで店を続けるハンバーガー店

40年以上も紅ハムで店を続けるハンバーガー店

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 紅ハムにある時新快餐店(G/F, 1A Whampoa Street, Hung Hom, Kowloon, Hong Kong Tel:2362 1279)が現在、ハンバーガーを1日1000個売り上げる人気を維持している。

10香港ドル代で販売するハンバーガー

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 1963年創業で、香港マクドナルドより歴史がある同店。開店当初は紅ハムにあるフェリーターミナルそばに「士多」と呼ばれるお菓子やジュース、食品などを扱う小さな商店として開業した。

 現在フェリーは北角と紅ハムを結ぶ路線しかないが、昔は湾仔や中環を結ぶ路線があり、バスターミナルやタクシー乗り場も近くにあったため、店は繁盛していたという。現在の店主は2代目の鍾奇涛さんで、店の人材不足から中学卒業後に店を手伝い始めたという。きっかけはアメリカでシェフをしていた父親の友人が香港に戻り、ハンバーガーを紹介したため。父親の友人がどう作るのかを教え、創業者である父親も味を研究し1974年にハンバーガーの販売を始めた。当時はまだマクドナルドが香港に進出していなかったため、ハンバーガーという名前はなく、「雑港包」という名前で売った所、新しい食べ物として注目され1日200個ほど売れていたという。

 1975年にマクドナルドが香港に進出し、ハンバーガーの販売個数は半減したが、諦めずにポルトガルスタイルのチキンライスやチキンステーキなどご飯類を売り始めた。近くに香港理工大学とその大学寮もあったことから客も定着し、ファストフード店という意味を込めた時新快餐店に改名した。

 2度目の試練は1980年代。紅ハムの再開発や埋め立てなどが開始されたため店の近くにあったバスターミナルなどが移動し来客数が激減した。ハンバーガーは20個ほどしか売れなかったという。そのため現在日本人も多く住むマンション・半島豪庭の向かいに店を移し、営業を続けた。復活のきっかけは、2000年代中頃、同店のハンバーガーを幼少期に食べて育ったという、ある記者が同店を紹介したことがきっかけで1日1000個を販売する香港最初のハンバーガーとして有名になった。今ではご飯類はほとんど売らずにバーガーに力を入れる。

 店は約600平方フィート。席数は32席。「雑港包」の時代のハンバーガーは牛、豚、鶏の合いびきだったがマクドナルドが進出した後は100%ビーフになった。ハンバーグ製造は工場に任せず、すべて店のスタッフで作る。

 ベーシックなハンバーガー(16香港ドル)は、ハンバーグに同店特製のソースをかけたシンプルなもの。特製ソースはマヨネーズ、玉ねぎ、ニンジンを使っているほかは秘密で、ほのかに甘酸っぱい味のソースを牛肉に合わせる。

 目玉焼きを加えたエッグバーガー(18香港ドル)、目玉焼きとハンバーグ2枚のハンバーガー(20香港ドル)なども。同店の人気メニューの一つチキンウィング(17香港ドル、2個)は皮をパリパリ、中身をジューシーに仕上げ、フランチフライ(16香港ドル)はボリュームもあるので、理工大生にも人気が高い。

 こういった類の店はサービスがあまりよくない傾向も見られる香港だが、同店は「熱いから気をつけてください」など声をかけてくれることからもファンが多い。

 営業時間は11時~21時。

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