香港で開催された青果の見本市「アジアフルーツロジスティカ」に合わせ9月2日、永樂創新英文幼稚園の4~5歳の園児を対象に、京野菜を使ったカレーとパンの試食会が開かれた。
香港内で京野菜のプロモーションを展開している京都市が、「子どもの食事に関心の高い親が多いことから、園児に栄養価の高い京野菜を提供することで、今後の販路を検討しヒントを得たい」との考えから実施した同企画。
カレーの具材には賀茂ナスや万願寺トウガラシ、丹波シメジを使い、甘口で提供。園児たちは、京都の地名が付けられた野菜の名前は知らないが、「京都」「東京」などの日本の地名は認識している様子だった。万願寺トウガラシを「少し甘味がある」と評価する園児もおり、グルメ人の多い香港ならではの反響も見られた。事前調査ではピーマンなどが嫌いな子どもが多いことが分かったが、この日はどの園児にも受け入れられていたようだった。
京都市中央卸売市場・京都青果協会が香港の展示会に出展するのは今回で2回目。生鮮、青果食材に特化した展示会としてはアジア唯一のトレードショーとなる。会場では九条ネギ、万願寺トウガラシ、伏見甘長トウガラシ、賀茂ナス、大黒シメジなどの京野菜や、国産の果物を中心に並べ、商談が行われた。数多くの自治体・企業がフードエキスポに出展する中、同展示会を選んだ理由として、京都市の担当者は「野菜や果物などの青果食材に特化しているため、よりバイヤーの質なども高いと判断した」と話す。
香港内の日本料理店 6 店舗では、京野菜を使ったメニューを提供している。炮台山の京都製パン処 松栄庵では、たっぷり載せた京野菜を西京みそで味付けをしたパン「京都べジグラタン」(20香港ドル)、ホンハムの稲庭養助では九条ネギや京丹波シメジを載せた「京都べジ稲庭うどん」(108香港ドル)、日本人も多く集まる太古と天后のカレー店Camper’sでは伏見トウガラシ、万願寺トウガラシなどを入れた「ミックス京都べジカレー」(69香港ドル)をメニュー化した。
ほかにも、炮台山の麺楽では、スライスした賀茂ナスにソースをかけて提供(65香港ドル)しているほか、テークアウトすし店のQちゃんは、たっぷりの九条ネギにネギトロを載せた「九条ネギネギトロ丼」(79香港ドル)を店頭に並べ、リーズナブルな価格で京野菜を気軽に食べることができる機会を提供している。9月8日まで。